第57話 新たな脅威
可愛いナースさんに癒され、朝から快調だな。
目が合うと恥ずかしそうにする仕草に、元気になった部分を鎮めながら堪える。
今日もやる事が沢山あるのだ。
着替えに戻るという友美を送り出し、ダイニングへ向かう。
ナースさんに癒されましたか?とのからかいには、たっぷりと癒されたよと答えておく。
堂々とするのだ、照れなど見せてはいけない。
バレバレな態度はスルーしてもらい、朝食を済ませる。
後から来た友美は、まだ皆に囲まれて楽しそうに話している。
まずは昨日創った、水雲隊を配置してしまおう。
庭に出て
「出でよ!水雲隊!」
必要の無い召喚の言葉を唱える。
10体のデフォルメされた雲が現れる。
まだ、簡単な命令しか出来ないが、虫を見つけたら取り込んで殺す。
取り敢えず、これだけやってくれれば良いだろう。
貯まった虫の死骸は、専用のボックスに入れる様に指示してある。
これで暫く様子見だな。
拠点の虫対策は良しとしよう。
次に植物のモンスター化を調べてみよう。
山の中で、周りに木モンスターのいない場所を探す。
見つかったので、一本の木の根元にモンスターの死骸を置く。
魔石も残してあるやつだ。
他のモンスターに横取りされない様に、空間固定の壁で覆う。
この木がモンスター化するなら、仮説の一つが証明される。
これがモンスター化の条件なのか、速めただけかは不明だが、いずれ分かるだろう。
同じやつを数ヵ所作って、毎日観察だな。
もし植物が全部モンスター化するとしたら、俺達の畑の作物も、モンスターになってしまうのかな?
女性達にも、作物の様子を見といてもらおう。
あとは念のため、木材を確保しておこう。
普通の木材は、手に入らなくなってしまうかもだからな。
それから数日、モンスターの死骸を仕込んだ木を観察しながら、木材集めを行う。
結果を言うと、仕込んだ木は全てモンスター化した。
速さはまちまちだが、全ての木が魔石まで根を伸ばし、吸収した後にモンスターとなった。
モンスター化した木は、近くにいる生物に襲いかかる。
基本は蔓を伸ばして獲物を捕獲する様だが、枝を振り回してくる奴もいた。
どういう原理かは分からないが、元々は硬かった枝を、うねうねさせながら襲ってくる。
モンスター化したら、筋肉が出来たのか?枝も柔軟になる?
ちょっと巨大化したとかを超えた変化だが、そういう物なのだろう、と納得しておく。
モンスター化なんて、元々分からない事だらけなのだから、細かい事を考えても分かるはずがない。
取り敢えず木は、モンスターの死骸、特に魔石かな?を吸収させると、モンスター化する。
これは木が魔力を吸収しやすいように補助した訳だが、補助しなくてもいずれはモンスター化したのだろうか?
確認するには時間がかかるな。
これは取り敢えず放置しよう。
どの木も、モンスター化する事が分かっただけで十分だ。
次はもっと小さな植物で確かめてみよう。
特に敷地内で育てている作物達だな。
これが知らない内にモンスター化してました!となるのは恐すぎる。
分かっていれば警戒も出来るからな。
作物のモンスター化を調べるために、以前皆でいちご狩りをした農園にやって来た。
ビニールハウスの中にモンスターの死骸と、魔石を置いてハウスごと空間固定の壁で覆う。
暫く様子見だな。
毎日ビニールハウスを観察していると、少しずつ根やら蔓やらを伸ばして、死骸や魔石を包み込んでいく。
この時点でモンスター化するのは分かったが、観察を続けるとハウス内は魔境と化した。
ハウス内を透視で見ているのだが、蔓が張り巡らされ、中に入れる気がしない。
このまま観察を続けたいが、気が付いたら世界が苺に侵食されてました!ってのは嫌なので、次元空間にビニールハウスごと移して観察しよう。
あそこなら、最悪は次元空間を消してしまえば問題ない。
以前、ステータス獲得用に集めた鳥モンスターを入れていたのを使おう。
存在を忘れていたので、中がどうなっているかを確認して驚く。
たぶん数百と確保していた鳥モンスターは、二体しか残っておらず、戦闘中の様だが…
お互い魔法を使ってる?
鑑定で調べてみる。
種族 マヒワモンスター
レベル 22
HP 428/680
MP 45/660
攻撃力 114
耐久力 115
俊敏性 138
魔法力 123
スキル:火魔法
レベル20を超え、火魔法を使えるようになったモンスター。
種族 シジュウカラモンスター
レベル 22
HP 370/680
MP 60/660
攻撃力 112
耐久力 113
俊敏性 138
魔法力 122
スキル:風魔法
レベル20を超え、風魔法を使えるようになったモンスター。
なんだこいつらは?レベル22で魔法を使える?
ヤバい!欲しい!
支援樹のスキルにテイムというのがあるが、今まで見たモンスターは見た目が凶悪な割に弱くて、テイムしたいとは思わなかったのだが、この二体はカッコいいし強い。
大きさは40~50cmくらいか?
テイムの成否は、かける時のMP残量が関係し、成功後は一体につき最大MPが10減ってしまうらしい。
今なら二体共、MPが減っているのでいけるか?
支援樹からテイムを取得し使ってみる。
流石に次元空間の外からは無理だったので、中に入ってやってみる。
入った瞬間に、此方を認識し見つめてくる。
二体にテイムを発動!
どうだ?
「「モンスターのテイムに成功しました」」
アナウンスが二回あったので成功の様だな。
二体を近くに呼びヒールで怪我を癒す。
なんとなく喜んでいるのが伝わってくる。
こんな感じで意志疎通をするのかな?
こちらの言葉は理解出来るのかな?
外に出るよ、と言ってみるとそれぞれ左右の肩に飛び乗る。
それなりの重みがあるが、今の俺には問題ないな。
二体を肩に乗せたまま、外に戻ってくる。
家に連れていきたいが、防衛隊に紹介しなくては攻撃されてしまう。
防壁から少し離れた所に転移して、二体には待っていてもらう。
一人防壁の上まで行き、空雲隊と水雲隊を集め、これから呼ぶ二体は仲間なので攻撃しないように指示する。
二体を呼んでみたが、問題ないようだな。
二体にも、この雲達は仲間だと説明する。
ちゃんと理解出来ている様だ。
次は仲間の女性達に紹介しよう。
として思い出す。
ビニールハウスを移さなくては。
急いで転移して、次元空間に移してきました。
今後、ゆっくりと観察していこう。
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