第33話 ステータス獲得
昼前に目覚めると、亜季がクリーンをかけ、身体やベッドを綺麗にしてくれていた。
お礼を言ってから、食堂に移動する。
二人で食堂に入ると、すぐに亜季は連れていかれた。
どうだった?や良かったね!などの言葉が聞こえてくる。
亜季は恥ずかしそうにしながら、こちらにチラチラと視線を向けてくる。
可愛いね!
可愛い亜季を見ながら、和んでいると、未来が近づいてきた。
「ステータス獲得は次、いつやるの?
私も早くステータス欲しい」
と言ってきた。
未来はそこまで乗り気でなかったと思うが、由香里から話を聞いて、自分も欲しくなったのだろう。
「昨日、モンスターを捕獲してきたから、今日も出来るよ」
そう言うと、今からやろう!と喜んでいる。
申し訳ないが、昼飯を食べてからにしてもらい、全員で昼食を終えてから、屋上に移動した。
モンスターが居ないことを、目視でも確認してから、空間固定の壁を設置する。
空間固定の壁は、1日程で消えてしまうことが、実験で分かっていたので、予め索敵で確認してはある。
前回と同じ様に、ゲージ内のモンスターを槍で傷付けてから、浴槽に沈めていく。
由香里には、ゲージ内のモンスターを、槍で突き殺せるか試してもらう。
一撃で、とはいかないが、それなりに突き刺さっているので、そのまま倒してもらう。
5回程突くと、倒せた様だ。
それぞれ、繰り返しやってもらっていると、由香里がレベルアップしたそうだ。
ステータスは後で確認するとして、続けてもらう。
あいだに休憩を挟みながら、繰り返していると、穂香が獲得出来た!と喜んでいる。
子供達の補助に、亜季を付けていたが、それでも獲得出来たらしい。
その後、また由香里のレベルが上がり、今日は終わりにするかな、と考えた時に未来が、やった!と声を上げた。
良い流れなのでもう少し続けるか、と引き続き繰り返す。
今度は志帆が獲得した様だ。
未来と志帆だけ残して、他のメンバーには夕食の準備をしてもらう。
未来と志帆にはツリー解放のため、レベル上げをしてもらった。
その後、無事レベルアップした二人を連れて食堂に戻り、皆で夕食を食べながら、ステータスをどうするかの話で盛り上がった。
皆一致して、支援樹を解放したいそうだ。
何で?魔法だよ?ロマンだよ?ステータス値を上げて俺ツエーは?
女性は、便利な支援樹のスキルが良いらしい。
確かに便利なのが多いからね。
余裕が出来たら、他のを解放すれば良いのかな?
本人の意志が重要なので、思うようにやってもらいましょう。
俺は強化樹と魔法樹に、多くのスキルポイントを使ったので、仲間がいなくて寂しい。
そんなこんなで食事も終わり、部屋に戻った。
すぐに由香里と未来がやって来て、スキルを獲得するから付き合って欲しいと言われた。
もちろん快諾し、由香里に何のスキルを取るのか聞いてみた。
いくつか迷っているらしく、アイテムボックス・性交術・クリーン・料理などで迷っているとの事。
いや、性交術いらんでしょ。
俺は嬉しいけど!
真面目にアドバイスすると、先ずは戦闘に使えるスキルにするべきだと勧める。
理由として、戦闘を楽に出来れば、今後レベルアップが捗り、スキルポイントを獲得しやすくなる。
そうしてモンスターを、安定して狩れる様になってから、他のスキルを取った方が効率的だと説明した。
由香里は、自分がモンスターと戦闘するとは考えていなかったらしく、少し考えたいと保留にした。
今のゲージを使った方法では、すぐにレベルが上がらなくなるだろうから、今後レベルアップを目指すなら、戦闘は避けて通れないだろう。
この先もずっと、ホームセンターに籠りっきりは、きっと良くないと思う。
初めは怖いかもしれないが、何とか乗り越えてもらいたいと思う。
由香里は部屋で考えてみます、と戻り未来も心配だからと戻っていった。
今日は一人か、とスキルを見ていく。
スキルポイントも余ってるから、何か取りたいと思う。
暫く見ていると、志帆が部屋にやって来た。
「珍しく一人見たいだけど、お邪魔しても大丈夫でしたか?」
問題ない事を伝え、どうかしたのか尋ねる。
「支援樹を解放したのですが、スキルを見て、また迷ってしまって」
ああ、支援樹を解放したから、取得出来るスキルが見れるようになったのか。
有用なスキルが沢山ありすぎて、どれを最初に取るか悩むよな。
由香里の様に、戦闘以外で悩んでいるのか確認しないとな。
聞いてみたら、志帆は戦闘のスキルで悩んでいた。
柔道をやっていたので、柔術を取るか、射撃訓練もやっていたので、銃術を取るか、剣道も少し習ったので剣術も迷う、更には瞬間的に力を強める剛力も良さそうだし、格闘術や短剣術も良さそうで、見れば見るほど迷ってしまうと言う。
鑑定で各スキルの詳細を教えて欲しいのと、一緒に考えて欲しいと言う。
快諾の意思を伝え、今言ったスキルを鑑定で調べてみる。
柔術は主に素手で、寝技が特に優れているようなので、モンスター戦にはキツいか?
銃術は、弾丸を魔力でコーティングして撃つらしく、威力が上がるらしい。
弾の確保と、一発毎に魔力を消費するので、魔力値の上昇も考える必要があるか?
弾が無くなったら、使えなくなるのも困るな。
剛力は魔力消費はあるが、力が強くなるので、色々と使える。
格闘術はやはり素手がメインだし、短剣術は短剣の扱いが上手くなるが、モンスター相手にはどうなのだろうか?
俊敏性を上げれば、手数でいけるか?
鑑定で調べた結果と、考察を述べてみるがやはり悩むな。
身体強化という、常時発動型の身体全体を、満遍なく強化するスキルもあったが、強化率は剛力などの特化した物より低かった。
志帆は、かなり迷っている様だ。
何か必死さを感じる。
「そこまで思い詰めなくても、この中のどれを取得しても、強くなれると思いますよ」
と伝えてみるが
「私は高遠さんにとって、必要とされる存在になりたいんです!欠陥品のままはもう嫌なんです!」
欠陥品?何の事だ?
尋ねてみると、過去の怪我により、子供が作れないこと、それによって離婚したことなどを話してくれた。
自分は、子供を産むためだけにいるのではないと、思い込もうとしても、どうしても女として負い目を感じてしまい、自分に自信が持てないのだと。
「真宮さんは、とても魅力的な女性ですよ。
私にとって、とても大切で必要な方です。
子供が産めない事などで、真宮さんの魅力は少しも損なわれていませんよ。
それに真宮さんが望むのなら、たぶん子供を産めるように治療も可能です。
治療してみますか?」
「私の事が必要ですか?それに、治療が可能なんですか?どのお医者さんにも、治療出来ないと言われたんですよ?」
「魔法なんて物が、無かったら無理でしたね。
でも今は魔法がありますからね。
大切な人に奇跡をもたらす魔法、受けてみますか?」
「お願いします」
分かりました、と頷き、光の上級魔法パーフェクトヒールをかける。
解析で調べてみると、不妊状態のままだ。
常態化してしまった古傷は治らないらしい。
いや、まだだ!
俺は時空魔法と光魔法を合成して、過去の傷も不治の病も治す、奇跡の魔法を創りあげる。
「ミラクルヒール」
志帆の身体を、眩い光が包み込む。
やがて光が、身体に吸い込まれる様に消えていく。
「これで私は子供を産めるのでしょうか?」
「解析で調べても異常はありませんよ。
いずれ証明出来る日も来るでしょう」
「ありがとうございます!
いずれなんて待てません!
今すぐに高遠さんが証明して下さい!」
泣きながら胸に飛び込んできた。
「分かりました、証明してみせましょう」
優しく抱き締め、その後は性交術を駆使しながら子作りにはげんだ。
悩みが解消された志帆の表情は、とても美しく、俺のテンションは高まりまくった。
本日も最高に良かったです。
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