第23話 ヒーロー
今日も老人ホームの様子を見にきた。
中のモンスターが倒されている。
たぶん亜季お姉ちゃんが帰ってきて倒したのだろう。
タイミング悪かったな。
すでに亜季お姉ちゃんはいない。
周辺を探すか迷ったが、ここでもう少し待ってみる。
ちなみに子供達はマンションに置いてきている。
不安がっていたが、オモチャとお菓子を出したら、お留守番を了承してくれた。
玄関前に建設現場から頂いた鉄骨を積み上げて、バリケードを作ったので安全だと思う。
やることもないので、老人ホームの屋上に陣取り、ここ最近で上がったステータスを確認する。
最近はレベルの上がりが悪い。
必要な経験値が増えているのだろう。
それでも3上がっているので、新たに取得するスキルも含め検討していこう。
名前 高遠雅人
性別 男性
年齢 46
レベル 16
解放ツリー 全能樹
スキルポイント 530
HP 1800/900+100%
MP 1600/800+100%
攻撃力 135+100%
耐久力 138+100%
俊敏性 145+100%
魔法力 121+100%
精神力 124+100%
魅力 38+100%
スキル:獲得経験値アップ(U)・獲得スキルポイントアップ(U)・アイテムボックス(S)・火魔法(4)・水魔法(4)・風魔法(4)・土魔法(4)・光魔法(4)・闇魔法(4)・錬金魔法(4)・時空魔法(S)・気配感知・危機感知・隠密・毒耐性・麻痺耐性・暑寒耐性・精神耐性・性交術・鑑定・絶倫・MP回復力上昇・MP消費減少・飛行・浮遊・動体視力向上・暗視・遠視・並列思考・思考加速・体術・格闘術・剛力
取り敢えずこんな感じにしてみた。
それにしても術関係は数が多い。
細かく分かれているので、体術と格闘術を取ってみた。
思考加速と剛力は良さそうなので取った。
魔法を全て(4)に上げた時に(S)が追加されていたので、時空魔法だけ取ってみた。
スキルポイントが50も取られた。
次元空間という魔法を取得したのだが、結構凄い。
10m×10m×10mの立方体の空間を一単位として消費MP50で一つ作れるそうだ。
但しこの空間、維持するにはコストがかかる。
一つ維持している間、最大MPが10減ってしまうのだ。
自分だけの拠点を作れそうなので、一つだけ維持しておく。
他にもスキルを取ろうか探していると、気配感知の範囲に人が入ってきた。
亜季お姉ちゃんだな。
向こうも、気配感知を持っているので、気づかれるか?と思ったが、隠密を発動していると気づかれないようだ。
気づかれないなら少し様子を見よう。
亜季お姉ちゃん達は、それぞれの部屋から少しずつ荷物を持っていくようだ。
探索帰りでリュックがいっぱいで、あまり持ち出せないようだ。
しばらく待っていると、気配感知に新たな反応が、あれはラブホグループの奴らだな。
6人の男達が近付いてくる。
亜季お姉ちゃんが、1人で出て来て男達と話していると、男達が拳銃を取り出しかまえる。
まずいと思い、亜季お姉ちゃんと男達の間に、空間固定の魔法で壁を作り、その壁と亜季お姉ちゃんの間に飛び降りる。
空間固定の壁は、問題なく銃弾を弾き、びくともしていない。
後ろから、亜季お姉ちゃんの驚く感情が伝わってくるが、まずは男達の相手をしよう。
「なんだお前は!」
との台詞に
なんだちみは!と踊るおじさんが頭に浮かんだが振り払う。
そうです、私が変なおじさんです!振り払えてなかった。
頭の中のコントは忘れて
「ただの通りすがりの者です。
気にしないで下さい」
「ざけんな!」
男達は何故か怒って発砲してくる。
そのままになっていた空間固定の壁が、全て弾く。
殺す気で撃ってきてるんだけら、多少はいいよな?と銃撃の隙間を狙い、男達の利き腕を砕いていく。
10秒もかからず男達を無力化すると、落ちた拳銃は収納しておく。
無言で男達を見つめていると、手を押さえながら慌てて逃げていく。
利き腕があの状態では、今後の生活が大変だろうな。
と男達の今後の生活に、思いを馳せていると
「あの、ありがとうございました」
亜季お姉ちゃんが声をかけてきたので、会話をする。
「いえ、亜季お姉ちゃんも無事で良かったです」
「亜季お姉ちゃん?私を知っているのですか?」
「あっ!すみません。
子供達がそう呼んでいたので、つい」
「えっ?子供達は無事なんですか?
お母さんは?他の人達も一緒にいるのですか!?」
「女の子二人は、外でモンスターに襲われているところを偶然助けられましたが、他に人はいませんでした」
「…そうですか、二人は今どこに?」
「皆さんが戻って来るかもと、探しに来ている間は、少し離れた所にあるマンションにいて貰ってます」
「私達も連れていってもらうことは可能ですか?」
話している間に、亜季お姉ちゃんの声が聞こえたのか、他の三人も出てきた。
「どこに行くの?」
「二人って、穂香と彩香?」
「無事だったんだ」
とそれぞれ何か話している。
「えっと、危ない所をこのお兄さんが助けてくれたんだ。たぶん穂香と彩香も保護してくれてるみたいたから、引き取りに行こうと思うんだけど、いいかな?」
「助けてくれたんなら、悪い人じゃないんだろうし、二人も放っとけないからいいんじゃない?」
「いいと思うよ」
「行くとこないし、私も賛成」
とみんないいらしい。
亜季お姉ちゃんは「ヒーローがきてくれた」と小さく呟いている。
ヒーローとかではないのだが、他の人には聞こえていないようなので、スルーしておこう。
四人を連れて、子供達が待つマンションへ移動する。
モンスターを避けながら歩くと、一時間近くかかった。
マンションに着いて、壊された入口から入っていく。
部屋の前の鉄骨を、アイテムボックスに収納すると驚かれたが、スキルだと説明する。
玄関を開けると、声が聞こえていたのか二人が迎えてくれた。
小さい子が膝に抱き付いてきて、抱っこをせがまれる。
抱き上げると嬉しそうだ。
どっちが穂香でどっちが彩香だ?そう思っていると
「彩香はずいぶん懐いてるね」
亜季お姉ちゃんが言うので、小さい方が彩香らしい。
「亜季お姉ちゃん!みんな無事だったんだね、良かった」
穂香は亜季お姉ちゃんに近寄り、手を握っている。
ここで話すのも何なので、リビングに移動してソファやダイニングテーブルに座り、ひとまず落ち着いてから話しだす。
今後どうするのか聞いてみよう。
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