第15話 警察署
一階では大した収穫はなかった。
当初の目的の、地図とタウンページが発見出来たのが良かったが。
他にコピー用紙等も未開封の物は収納しておいた。
ホームセンターでも回収したが何かに使うかもしれない。
あとは倉庫にあった、支給前の新品の制服も、色々と使い途がありそうなので回収した。
女性用もズボンが多いが、キュロットやスカートもあったので良かった。
二階は会議室の様な部屋が多く、得られた物資は殆ど無かった。
三階に上がってきた。
人の気配は何部屋かに別れているようなので、人の気配のしない部屋から調べていく。
仮眠用の部屋なのだろう、質素なベッドが2つと間に机が置いてあるだけの部屋が多い。
人の居ない部屋の探索を終えたので、覚悟を決めて会いに行く。
この部屋には4人の反応がある。
ノックをしてみるが反応がない。
「すみません、どなたかいらっしゃいますか?
…入りますよ?」
と声を掛けてから扉を開ける。
二つのベッドにそれぞれ大人一人、子供一人が眠っているようだ。
みんな、かなりやつれている。
どれだけ食事を取っていないのだろうか?
眠っている男性の肩を揺すりながら「すみません」と声を掛ける。
反応がない。
女性の方にも同じ様にしてみるが、こちらも反応がない。
餓死寸前だとこんな風になるのか?
子供達も目覚める様子がないので、他の部屋を調べていく。
どの部屋も似たような状況だった。
避難してきた市民か警官かの差はあったが、みんな昏睡状態で、話を聞ける人はいなかった。
諦めて一階に降りて、発見していた地下に降りていく。
助けないのかって?
無理だ、あの人達にどんな処置が適切なのか分からない。
もし目覚めさせれたとして、その後の面倒も見れない。
今だけ助けても、もう一度同じ苦しみを与えるだけだろう。
地下に降りると、頑丈そうな鉄の扉が開けっ放しになっている。
入って見ると、たぶん武器の保管庫なのだろうが、棚やロッカーの中に武器は残っていなかった。
警察署なのだから、多少の備蓄もあるはずなのに、上にいた人達は餓死状態だ。
たぶん一部の人間が武器と物資を持って何処かに行ってしまったのだろう。
子供もいたのに可哀想な事だ。
見捨てて行く俺が言えた事でもないが。
まぁ殺して奪った訳ではない様なので、極悪非道とまでは言えない気がする。
自分達が生存するために必死だったとも考えられる。
この辺にもしかしたら他人の犠牲を厭わない、武器を所持している人間がいるかもしれないと警戒だけはしておこう。
銃で撃たれたらレベルアップしている俺でも、どうなるか分からない。
一階の待合所にある椅子に腰掛け、タウンページを調べていく。
米倉庫?あるかな?米倉庫はなかったが近くに数軒の米屋を発見した。
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