第6話 非日常での生活
それなりの荷物を持って帰宅したあと、家にあった物も含め整理していく。
食料品・水・電池・衣服等をまとめて置いていく。
水と衣服が足りないな。
そう水道も止まっていたのだ。
我が家は一軒家で、太陽光発電を付けている。
その為、非常時に太陽光発電から直接電源をとって、ある程度の家電は動かすことが出来る。
電子レンジやIHプレート、また電気ケトルや炊飯器も使えるので、色々な食料品を食べれるようにすることは出来る。
ただ米を炊くにしろ、乾麺を茹でるにしろ水は必要だ。
今回購入した分だけでは、飲み水として使うことも考えると全然足りない。
衣服も水を節約するために洗濯が出来ないので、清潔な物を着続けるられるのはいつまでになるか。
ご近所の人達は、どうしているのだろうか?
我が家は郊外の住宅地にあり、近所にそこそこの人数が住んでいるはずだ。
それでもみんな外出規制を守っているのか、買い物に出た時には、ご近所さんを見なかったな。
この辺にも、凶暴化した動物はいるのだろうか?いるのならもう少し騒がしくなっていそうなので、今のところは安全なのかも知れない。
水が無くなるまでは、情報をチェックしながら大人しくしていよう。
それから1週間がたったが、その間にネットでの情報もストップした。
サーバー等の電源も、完全に止まってしまったのであろう。
近所の方々も避難所等に移動するためか、結構な数の家族が、車に荷物を積んで出ていった。
離婚して嫁と子供達が出ていってから、近所付き合いもしていなかったので、誰からも声を掛けてもらえなかったが。
さらに1週間が過ぎた頃には、窓の外にはデカいカラスが多数見られるようになっている。
食料も残り少なくなってきたが、やはり水がヤバい。
節約して使っていたが、もってあと2日といったところだ。
俺も避難所に移動した方が、良いのかもしれない。
何かでラジオが一番最後まで放送できる、みたいな事を聞いた記憶があったので、防災用に買っていたラジオに電池を入れて、チャンネルを色々と変えてみる。
おっ?いまだに使えてるチャンネルがあったようだ。
このチャンネルは、日本政府が録音したものを繰り返し流しているらしい。
内容を簡単に書き出すとこんな感じだ。
・凶暴化した動物の鎮圧は失敗した。
・政府の機能はもう正常に働かない。
・鎮圧にあたっていた警察官、自衛官の中から動物を殺害時にステータスを獲得したものがいる。
ステータス獲得時に、頭の中に音声が流れるらしい。
・ステータスを獲得した者は、ステータスオープン、と唱えると自身のステータスが見れるらしい。
・ステータスを獲得した者が、凶暴化した動物を殺し続けるとレベルが上がる。
・レベルが上がると、怪我が回復し溜まった疲労もなくなるらしい。
・レベルが上がると、目に見えて肉体が強化されるらしい。
・一般の方の中で、ステータスを獲得出来た方がいたら◯◯に集まってもらい、反抗作戦に協力して欲しい。
大まかにはこんな感じであった。
心当たりがある。
事故の時、車の下には大きな狸の死体があった。
事故で負ったはずの傷が無くなっていた。
身体の変化も当てはまる。
「ステータスオープン」
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