『戦慄の魔女、ミンナ・コロシ・テ・ヤール』

やましん(テンパー)

『戦慄の魔女、ミンナ・コロシ・テ・ヤール』


 恐怖の魔女、ミーナ・コロシ・テ・ヤールは、執政官との取引を行った後で、『魔女電話サービス』の通信施設を使って、電話をかけた。


 これは、一流の魔女たちだけのためのサービスであり、ステイタス・シンボルである。


 『もしもし。ハロー。パイヴァー。どちらさま?』


 『おーい。元気?』


 『おー、ミーナねえさん。久しぶり。もうかってまっか?』


 『ぼつぼつですなあ。あんたは?』


 ミーナとミンナは、みつごの魔女である。


 しかし、あとひとり、ミゴトは、長く行方しれずになっていた。


 『まあまあね。ねえさん、執政官から総督暗殺を依頼されたとか。』


 『もう伝わった?』


 『もちろんよ。うちにも、総督から、執政官暗殺の依頼があったよ。地球予算の半分を出すとか。』


 『何年払い?』


 『100年とかいうから、値切ってやったわ。』


 『ほう? どこまで?』


 『32年....。』


 『なんだあ、横並びかあ。』


 『そうなんだ。でも、総督も、執政官も、そんなには持たないけどね。』


 『うん。よくもって、あと3年かな。次を狙ってるふたりは、挨拶にきた?』


 『きたきた。ひとりは、ノンキャリのおじいさん。なかなか、これは、でも曲者ね。にこにこ顔でね、つかみ所なしよ。かなり、クセのある味だろうな。もうひとりは、まだ、お坊ちゃんね。二枚目だけど。太陽系最大の大富豪のご子息よ。ほっといても、偉くなる。でも、労働なんかしたことない。あっさり味かも。そこが、魅力ね。』


 『うちにもきた。でも、やなやつだ。やたら、正義のみかたずらしてる。民主政府を建てるとか。魔女の意見も良く聴きたいとか。まあ、うそよ。』


 『まあ、政治家は、ほんとうのことは、言わないよ。それが本分なんだから。ほんとのことを言っちゃう政治家は嫌われるから。』


 『まあね。それにしても、ミゴトがいたら、ホントの未来が分かるのにね。』


 『どこに、いるのやら。』


 

 その、ミゴト・コロシ・テ・ヤールは、火星で、偽名を名乗って、うどん屋さんをやっていた。


 小さな店だが、おいしいと、評判になっていたのだ。


 やましんは、その常連客である。



 『総督は、火星で新型爆弾を使う気らしいわ。でも、魔法で地球と火星の中間地点で、爆発させてやるよ。見物ね。中間ステーションは、かわいそうだけど、消え去るかも。でも、乗員は大鍋に転送して、スープの素にしてやろうかな、と、思ってるの。』


 『はあ。半分くださいませ。楽しみね。さてどうなりますやら。』


 『ほほほほほ。いいわ。パーティーをやりましょう。』


 『お手並み拝見。』



    🙇🙇🙇🙇🙇


 


 


 


 

 


 

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