六等星

第1話

「頑張れば、誰かが見ていてくれる」

でも、そんなに甘くない。

太陽や月のように、地球から見ればだれにでも見つけられるほど、

目立つ存在ばかりではない。

俺の輝きなんて、せいぜい六等星。

肉眼で見つけられることのできる、一番明るい星。

明るいと言ったら、間違ってるか・・・

太陽や月に隠れているので、どんなに頑張ってもなかなか届かない。

もしかしたら、届くまでに消えているのかもしれない。

それでも、輝くしかないのだ。

たとえこの身は滅んでも、しばらくは光は届く。

さてと、消える前に見つけてくれるマサイ族のような視力の人は、いるのかな？