第3話
「あの有名なインフルエンサーの佐藤マリアさん!」
「うれしいーな、私のこと知ってくれているんだ」と笑顔で、私に話しかけてきた。
「私のことは、気軽にマリアって呼んでね〜♩」
「えっ、いいんですの!」
やりましたわ!あのインフルエンサーと仲良くなれそうですわ!
心の中でガッツポーズをしたアイラ。
「別にいいよー、これから仲間になるわけだから、よろしくね〜♩」
「マリアは、うちの会社でもいろいろ手伝ってくれているんだ」
「そうだよー、雑誌の撮影とかCMもあって大変なんだよー」
「マリアが来たということはCMに出演していただけると言うことかしら」
「そのつもりでいるよ」
彼女は今や話題のインフルエンサーかなり期待ができますわ。
「敬、それで私は何をすればいいの?」
「ちょっと待ってマリア、まずは、白川カンパニーの主力商品いろいろあるけど後藤さんはどんなCMにしたら良いと思いますか?」
「そうですわね‥」
なにやら、深く知恵を絞っているようだ。
この白川カンパニーは初期の頃、貿易業で財を稼いできたが、ここ最近は先代社長の頃から新商品を開発して売り上げを伸ばしていた。
「新商品を開発する時間やお金もないから今ある商品を改良して新商品としてCMにしてみてはいかがかしら」
「時間も資金もないのは理解できるが、却下!」
「えーーっ、却下ですってー!」
どこからか出したかわからないハンカチをキィーっと咥えるアイラ。
「アハハハッ!面白いね、アイラさん」
「今は商品よりも会社自体の知名度アップが優先かな」
「じゃ、白川カンパニーのイメージモデルが私になるってことかな?」
「そうなるね」
「でもわたしのイメージがわるくならない?この会社には悪いけど」
「先代社長が亡くなってから社会ではブラック企業とか言われているけど大丈夫」
「そっかー、敬がそういうならオッケー」
「なんか辛辣な言葉がでてきてますけど、私がまだいることを忘れてないかしら」
「おっと、いけない後藤さんの存在を忘れていた、この事は社長には内密に、後藤さんにもメリットがあるようにするから」
「じゃ、今日はこの辺りで終わろうか、マリアは次の仕事があるんじゃなかったけ?」
「いっけなーい、もうこんな時間!次の仕事もあるし、じゃあねーアイラさん♩」と手を振りながら帰った行った。
「CMに関しては我々に任して、後藤さんにはこれ渡しとくよ」
「なんですの?これ?」
「経営のマニュアル本だよ、僕が作った、読んでもらえたら役に立つよ」
「これがさっき言っていたメリットってやつですわね」
「そう、ではまた明日」と会議室から出て行った。
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