記憶 終わりの始まり

《???》


「ねぇ、パパ、みて!きれいなおはなだよ!って、あれ?パパ、いないの?」


お庭から走ってお家の中に入る。パパのお部屋に行っても、パパはいなかった。どうして?


「───、ふざけるな!ここの主は領主である私だ。好き勝手できるとは思うな!」


パパ、けんかしてるの?

どこにいるの、パパ。


「残念だけど、あなたにもう用はないの。私があなたと恋仲になるわけがないじゃない。こんなに忌々しい家、さっさと無くなればいいのよ。」


ママ、なの?

ママもおこってる?


「ずっと待ってたの。やっと用意ができたのよ。だからアンタ、────頂戴。」


おおきなおと。

なにかが転がるような音。


思わずろうかに飛び出すと、


満足気に笑うママと



階段の下に、




血溜まりに頭を浮かべたパパがいた。



それが、全ての始まりだった。

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