最果ての落園の同胞たちへ
蒼井 芦安
プロローグ
鬼。
鬼とは人類の敵である。
ある日、王はそう宣言した。
そして、世界は変わった。
昨日までの隣人は、どこかへ連れていかれた。親友は、連絡もなしに消えてしまった。
鬼は、居場所を失った。
何も悪いことなんてしていないのに。
今まで、何人の同胞がいなくなった?
何人の同胞が故郷を奪われた?
私は、どれだけの人を傷つけた?
最果ての地、同胞たちが集うこの場所。
最後の砦で、私は、その日を待っている。
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