第3話
(パチパチパチパチパチパチパチパチ…)
時は、午後1時半頃だった。
またところ変わって、
店内にある炭火焼きコンロでうなぎのかば焼きを焼いている音がひびいた。
店内に
この日、
お酒のしめに特上のうな重を食べたいから道を変更して…
急いでよ…
それなのに、うなぎのかば焼きが焼き上がらない…
うなぎの身の中心に
火が身の中心に届いていないので、焼き上がるのにまだ時間がかかるようだ。
そうこうして行くうちに、時計のはりが2時半になった。
早く焼いてよ…
うなぎ屋の主人は、ものすごくイラついた表情でうちわをパタパタとあおいだが、身の中心に火が通らないのでものすごく困っていた。
どうしよう…
もうすぐ3時になる…
急いでよ…
(カーン、カーン、カーン…)
ところ変わって、
柱についているカシオの電波時計から午後3時を知らせるかねが鳴った。
酒を飲んでいた
ともえは、ものすごく困った声で
「あなた!!」
「なんだよぅ〜」
「もう3時が来たわよ〜」
「3時がどうかしたのか?」
「あなた!!
「分かってるよ〜…だけど、
「あなた!!」
「わしはあの店のうな重が食べたいのだよ〜」
「ちょっと待ってよ!!」
ものすごく怒った表情を浮かべているともえは、
(プルルル…カチャ…)
「もしもし
「
「あとどれくらいかかるのよ!!…
「今、つぎの4人分を焼いているのだよ…炭火焼きは時間がかかるのだよ…」
「フン、知らないわよ!!男のくせにメソメソ泣く
(ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた
「どうしたのよ?」
「
「
「
困ったわね…
「奥さま〜」
「どうしたの?」
「すみませんけど、家で
「それじゃあうなぎはどうするのよ?」
「うなぎはまたの機会にします…あの…
ともえは、やる気のない表情で『分かってるわよ〜』と答えたあと『もうすぐ
この時、時計のはりは午後3時20分になっていた。
その直後に、
その後、松山市の小坂交差点から環状線を経由して国道196号線に向かった…
うなぎ屋に着いたのは、1時15分頃だった…
それから2時間以上が経過したが、思わぬアクシデントが生じた…
そのせいで、
それなのに、
いつまで人を待たすのよ…
ともえは、ひとりでオロオロオロオロオロオロオロオロオロオロオロオロ…としていた。
その頃であった。
時計のはりは、あと5分で夕方4時になる…
それなのに、
おうちに帰りたい…
炊きたてごはんを食べたい…
炊きたてごはんの上に焼きたてのお肉をのせたものが食べたいよぅ…
おとーさんとおふろに入りたいよ…
しかし、近所の人たちに知られることが怖いのでガマンした。
泣きたくても泣けない…
どうすればいいの?
おうちに帰りたいよぉ〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます