10話 とある二人の休日
その週末―――――。九音は宣言通りにリベンジデートの申し込みをしてきた。
最初は断ったのだが例の如く付き合ってくれないと“秘密をばらす”と脅されて渋々ついてきた。
今回はどこに行くのかと思ってついていくと。
市内のとあるプール施設に来ていた。どうやらこのプール施設は隣のゴミ集積場からの余熱を利用しているらしいと、車内で九音が説明してくれた。
その他にも食堂や温泉、トレーニングジムまで完備しているらしく実用的な施設と言えるだろうと思っていると―――。
俺の顔を見た九音が悪巧みを企てる子供のような顔をしていた。
「西園寺、今度はいったいなにを考えているんだ?」
気になって聞いてみるが、「それはあとのお楽しみだよ」と言うだけだった。
一抹の不安を抱えながら目的地に到着するのを待つ。そしてしばらくして目的地につき、料金を払って中に入る。
更衣室に向かう前に「それにしてもどうしてプールなんだ?」と訊くと、「そろそろ、夏休みに入るし新しい水着も新調したからユウマくんにお披露目したくて――――ダメだったかな………」
と不安げな上目遣いで訊いてくる。
「………別にそういうことなら――――」と答えて各々更衣室に入る。
着替え終わった後、出入口付近で九音が出てくるのを待っている。
その間に先ほどの言葉を頭の中で反芻していると………。
「………お待たせユウマくん、どう似合っているかな?」
純白のビキニにショート・ハーフの布を巻いた九音が恥ずかしそうにはにかみながら出てきた。普段の清楚なお嬢様の感じとはかけ離れた大胆かつセクシーな恰好に目のやり場に困り、つい視線を右往左往させてしまう。
俺の反応を見た九音は満足げに微笑みながら「ほら、行こう! ユウマくん。………その前にシャワー浴びないとね―――」と隣同士でシャワーで身体を綺麗に流してからプールサイドに出る。
肩が触れ合うくらいの距離のたせいかふんわりと甘く良い匂いが鼻腔をくすぐる。
その後は二人プールサイドを散策してから流水プールや波のプール、ウォータースライダーを楽しんだ。
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