とうとう始まる帝都大会、ぶっちゃけやりたくない。めんどくさいし。

そうこう考えていると、司会が話し始めた。


「さあさあ今年もやってきました、第3回帝都大会!今年は勇者だったり、Aランクの冒険者だったり、色々な場所から強者たちが集結しています!中でも!今大会優勝候補は、やはり勇者コウキ テンドウと、大剣の勇者タツヤ タイドウのペアです!」


この大会まだ三回目なのかよ!というかなんで大道が勇者になっているんだ?


[神に認められたからじゃないんですか〜?]


なんだよその疑問系。


[詳しいことはわかんないので]


ということは、ナビーは神が直接関わっていることに関してはわからないのか。


「それでは、今大会のルールを説明します。

1、武器は何を使用しても良い

2、魔法を使っても良い

3、どちらかのペアの2人が気絶、死亡、降参、場外に出る、のいずれかを満たした場合相手のペアの勝利とする

4、禁止薬物の利用をしたペアは反則負けとする

5、この大会は1回戦目だけ総当たり戦なので頑張ってくださーい

以上です。ちなみに万が一死んでも聖女がいるのでご安心を〜」


誰かが死ぬ前提かよ。というか聖女がなんでいるんだ。


「ちなみに聖女様は〜大会参加者です」


・・・戦えるのか?


「それでは第一試合クッソさんとザーコさんのペア対ツカサさんとシオンさんのペアです」


いきなりか〜対戦相手の名前が・・・ネタ切れか?


「俺の名前はクッソ、剣士だ」

「俺の名前はザーコ、魔法使いだ」

「俺の名前は司、錬成師だ」

「私の名前はシオンです。双剣士です」

「・・・嬢ちゃんは大丈夫だとして、坊ちゃんは大丈夫なのか?」


何を失礼な。これでも一様神だぞ!

もちろんそう叫ぶことはできないので愛想笑いをしておいた。


「それでは試合開始です!」


試合が始まると俺はすぐに二つの塊を空中に投げる。それは落ちることなく、空中を浮いている。この日のために作った、それぞれガーディアン・ピット、アタック・ピットと呼ばれるものだ。それぞれプロトタイプなのでまだまだ粗削りだし、耐久力もないが、データをとるためには実践しかないからね!


「あぁ?なんだそりゃ」

「努力の結晶かな」

「だが撃ち落とせればいい。『我が魔力を贄とし敵を打ち滅ぼす火となれ火魔法火球ファイア・ボール』」

「だがしかし、その魔法は当たらない」


なぜなら自動で避けるから。


「おい!この物体魔法が当たんないぞ!」

「なら俺が直接操っているやつを叩く!援護しろ!」

「・・・」

「おいどうした!」


と言いクッソが後ろを振り向くと。ザーコは場外に飛ばされていた。「アーパー」という叫び声?とともに。


「何!?いつの間に!」


とクッソが言う。


「簡単なことだ。ガーディアン・ピットをザーコに向けて進ませただけだ」

「その程度のことで、ザーコが場外まで吹き飛ばされるものか!」

「そりゃザーコを空中に浮かせてから落としたからな」


ちなみに、アタックピットを使わなかったのは、吹き飛ばすことができないからだ。

ザーコに向けてアタックピットを向かわせたら細切れになっていたな。


「クソッこうなったら本体を叩くまで!」

「だがしかし、こちらにはシオンがいる」

「了解です!」


とシオンが言うと、太陽剣ソレイユと月光剣ルナを抜き放つ。この2本は手加減するために作ったやつだ。


名前:太陽剣ソレイユ(魔剣)

レアリティ:伝説級

スキル:太陽魔法、共鳴(月光剣ルナ)


名前:月光剣ルナ(魔剣)

レアリティ:創設級

スキル:月光魔法、共鳴(太陽剣ソレイユ)


続いてスキルの説明

太陽魔法:太陽に関する魔法を使える(例:炎(でかい)を発射)主に破壊担当

月光魔法:月に関する魔法を使える(例:気配を消せる)主に援護、支援担当


はいそこ!手加減ってなんだっけ?とか言わない!

さて、大会の続きだが、クッソが鉄の剣(能力なし)を抜いて俺に向かってくるが、シオンがそれを止める。

そのから剣の撃ち合いが始まるが、まぁご想像の通りパワーはあまりない(スピードと比べて)がスピードがあるシオンが二刀流も相まって、手数の多さで圧倒している。


「くっそ!こいつすばしっこいし、一撃一撃が重すぎる!」


とクッソが言っているが、、頑張ってとしか言えない。と思っていたらクッソが距離を取り始めた。

面白そうなので、追撃をしようとしたシオンを止めて俺が前に出る。


「こうなったら、この技を使って貴様らぶち倒してやるわ」


なんか大技が来るっぽい。


「くらえ![神明流一刀両断]!」


と叫びながらクッソは、上段に剣を構えたままこちらに向けて走ってくる。

ちょうどいいのでこちらも新しく作ったスキルと技を使わせてもらおう。


「雫魔法水の剣、クイック、スロー、ブースト、ボム、一刀両断!」


という掛け声と共に俺は魔法で作った剣を横1文字に振り抜く。


クイック:スピードを強化する。何も消費しない代わりに一瞬

スロー:相手に使用者が遅く見える幻覚を見せる。相手の動きを遅くすることもできる。何も消費しない代わりに一瞬

ブースト:パワーを強化する。何も消費しない代わりに一瞬

ボム:好きな位置に爆発する魔力を設置できる。任意のタイミングで爆破可能。今回司は剣に設置してスピードを上げるために使う。

一刀両断:使用者のステータスによって切れるものが変わる。その気になれば、時空も切れる。神明流の一刀両断とは別物


クイック、スロー、ブーストは体への負担が大きいので普通の人なら1回使ったらもう戦闘できなくなるだろう。だがしかし、俺は神です。神なので無事です。こっちもまだまだ粗削りだな。やっぱり構築に無駄が多い。

クッソと俺の剣がぶつかる。ばちばちと火花を散らしていく。そこから俺はある魔法を使う。


「焔魔法日之剣」


これは雫魔法の火属性版だ。他にも風、雷、闇、聖の属性にも似たような魔法を作り、1つにまとめて武装魔法というスキルになっている。

こうして生み出した日の剣を水の剣にぶつける。

ジュッ!という音と共に水蒸気が立ち上がる。

その水蒸気でお互いの視界がふさがれる。


「水蒸気で目をくらすきか!だがしかし!俺には気配察知レベル2がある!無駄dゴベェェェェェェ」


クッソがなぜ最後まで言い切れなかったのか。理由は、ガーディアンピットを正面から突進させたからだ。俺は当たる直前に避けることができたが、クッソの気配察知ではガーディアンピットを捉えることができなかったようだな。それにあんなに叫んだら位置がまるわかりだ。気配察知を使うまでもなかった。

クッソはそのままゴベェーという奇妙な声を発しながら場外に落ちていった。普段は野太い声なのに急に高い音を発したのでめちゃくちゃ気持ち悪かった。

その後すぐにガーディアン・ピットは崩れて朽ちていった。突進二回で壊れる盾ね。役に立たねぇ。強度の面でまだまだ課題が残るな。アタック・ピットはまた今度だな。


「ここでクッソ選手、ザッコ選手が場外に出たので第一試合はツカサ選手とシオン選手のペアの勝利です!続いて第二試合です!第二試合は勇者コウキ テンドウと、大剣の勇者タツヤ タイドウのペア対クレアーレ選手とストルクシ選手のペアの対決です!」


だから名前のセンスが・・・それにしても次は勇者ズが出るのか。どのな戦い方をするのか楽しみだ。ちなみに相手は両方とも女性だ。

うわーぼうりょくだー

そういえば、聖女はひっそりと予選敗退してた。なんか、こう、予想通りだったね!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る