「とりあえず闘技場に移動させてもらうぞ。ルールとかはそっちで説明する」
「わかった」
ここが闘技場か、結構広い石造の建物か。東京ドームの石版的な感じだな。
「さて決闘のルールを説明してやろう。1つ、どんな武器を使用しても良い。2つ、毒系統の物の持ち込みは禁止。スキルによる物なら良い。3つ、相手が気絶または死亡した時もう一方が勝利する。降参しても良い。以上だ。質問は、ないな。よし始めるぞ!」
質問しようとしたら強制的に始められた。いや別に質問なんてないけど。
「行くぞ。オラあああああ!」
現帝王(名前はライガとかいうらしい)が大剣を降りがぶってきた。
「雫魔法水之剣」
一方俺は雫魔法を使い水でできた剣(もれなく高圧)で受け止める。
「なんだその魔法」
「・・・ただの、どこにでもある、普通の、高圧の水の、剣だ!」
「そんなスキル聞いたことないのだがな」
「じゃあ、お前の知識はそれまでってことだ、よっ!」
剣を使いライガを押し返す。
「おっと、少しはやるようだな。だがそれだけでは勝てないぞ!獣王流紅蓮牙!」
鋭い突きだな。りょっとやばい。剣だと受け止めきれないな。俺、錬成職ですし?だがしかし、俺の魔法は有能だ。
「雫魔法水ノ盾」
左手に水の盾(もちろん高圧)が生成される。俺はその盾を前方に構える。
ガキンッ!
という水と金属が当たった音とは思えない音が響く。
「なっ俺様の突きを受け止めるだと!?」
「当たり前だ」
俺の雫魔法は水魔法の派生系で生み出した雫を使い戦う。元は水なため変幻自在だ。一度にふた雫しか使えないが。
「ならこれでどうだ。獣王流奥義烈火斬」
剛速の一文字切りが繰り出された。
こうやって、冷静に考察しているが、今にも剣が当たりそうだ。
「流石にやばいな。雫魔法ダミードロップ」
刹那奥義があたる。
抵抗なく入ったその刃は、豆腐を切るように体を切り裂く。だが、ライガは驚いて表情でこちらを見る。
俺は切られていなかったからだ。
「何!?交わしただと?」
「ダミードロップ。分身を作り出す魔法さ」
俺は右手のみに雫魔法を展開したまま説明をする。
「なら、本気で相手してやる」
というと大剣を放り投げる。いや放り投げちゃアカンでしょ!
「貫け!
ライガの前に赤く燃える大剣が出現する。
「こいつは俺の魂の剣、お前は破れるか?」
刹那ライガが消えた、いや消えたよう見えた。炎の爆発を使い、残像を残すスピードで移動したのだ。
「オラオラオラオラオラァ!」
「チッ」
大剣とは思えないスピードで剣を振るう。
早い!このままだと負けるか(そんなことはない)。
しょうがない。あれを使うか。
「雫魔法雷水之剣」
俺の剣に雷が纏われる。
「チッまだ隠し持ってやがったか。だがぁ、煉獄撃ぃ!」
炎が剣の形を型取り飛来してくる。
「ふんっ」
それを俺は一閃にて消滅させる。
「チッこれじゃあ拉致があかん。次で終わりにしてやろう!」
「望むとこだ」
ライガは剣に全魔力を集中させる。正真正銘、最後の攻撃のつもりだろう。
ライガは魔力を竜のようにして剣を構える。
「ハァ!ドラゴニック・ブレス!」
「雫魔法冰之剣。雫魔法ドラゴンドロップ」
炎の竜と氷の龍が激突する。
「ハァァァァアアアアアア」
「おりゃァァァアアアアアア」
勝ったのは、
氷の龍だった。想像通りだね!
あたりを水蒸気が覆い尽くす。次の瞬間、目の前に大剣が現れた。そしてそのままなすすべなく俺の上半身と下半身は離れた。
「っは!舐めてもらっちゃ困る。灼熱の剣第二形態不死鳥の鎧。鎧になっちまうが、この姿の時俺は死なない」
「ヘェ〜すごいな」
「・・・上半身と下半身が分かれたはずなのにきっちり繋がって生きているお前の方がすごいと思うぞ」
「雫魔法体水の雫一瞬だけ体を液状化させられる」
「もはや反則だな!?」
「チートと言ってくれた前」
反則ではない。反則(異能)があるから。
「わかった。よーくわかった。お前には勝てないな。」
「ようやくわかったか」
「その言い方がムカつくが、まあ降参だ。帝王の座はお前のものだ」
「じゃあその権利をルビーに丸投げにする」
「わかりました。ではこれから私が帝王となってこの国を収めてゆきたいと思います。で、それに伴いお願いがいくつかありまして」
「それは俺にか?ライガにか?」
「2人ともです。私の護衛になってください!」
「「わかった」」
「もちろん強制はしません」
「「だからわかったって」」
「もちろん給料もそこれくらいの値段を用意させていただきます!」
「「聞こえてるか?」」
その後数分この会話が続いたとか・・・
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