今俺は国王がいる部屋の前にいる。というのも昨日国王に呼び出しをくらったからだ。

城に入りしばらく歩くと大きな両開きの扉が見えてきた。この先に国王がいるのは間違いないだろう。

ギィ

という音とともに扉が開かれる。当たり前だが人力だ。中はいわゆる王と会う場所だった。正面には玉座があり、国王が座っていた。左右には大勢の騎士がずらっと立っていた。俺は王の前まで歩くとひざまずく。


「失礼します」

「うむ」

「重要なお話とはなんでしょう?」

「うむ。最近君はどんどん腕が上達しているそうじゃな。」


どこからその話を聞いたのか。いやS級になったからある意味当たり前か。


「はい」

「その事を部下に聞いてな、褒美を使わそうと思ってな。」


やっぱり部下から聞いたのか。こうゆう噂っていうのはなんでこうすぐに広まるのか。もう少し広まるのが遅いと思っていたんだけどな。


「ありがとうございます」

「うむよいのじゃよいのじゃ、それでなここからが本題なのじゃが、君が強くなった理由を聞きたくてな」

「え〜っとですね。毎日魔力をスッカラカンになるまで使うのと毎日スキルに向き合うことですかね」

「ほかに変わったこととかあるかの?」


他にって言われてもな、ほんとにやったことはそれだけなんだけど・・・あっ。


「そういえば覚醒?しました」

「ほう覚醒だと?」

「はい。何故か覚醒してスキルが進化したんです」

「ふむよくわかった・・・お前が辿り着いてはいけない領域な辿り着いてしまったことがな」


は?いきなりを言い出すんだ?国王の表情が人のよさそうなものから、無感情になった、何も見ていないような、それでいて何か大きなものを見ているような、そんな表情をしていた。


「残念ながら、覚醒してしまったお前を敵とみなし。この国から追放する」


パチン! ブワ!

国王が指を鳴らすと俺の足元に魔法陣が展開される


「おっと領域外に飛ばすつもりが、うっかり最難関ダンジョン『神滅』に飛ばしてしまうようじゃ、すまんの(ニタァ)」


うわ絶対わざとやん。急いで魔法陣から退こうと体を動かそうとした瞬間、意識が途絶えた。

後の部屋には、国王しかいなかった。


























「覚醒シャ ハ コノヨ ニ ソンザイ シテハ ナラナイ」























「そこの兵士さん!知ってますか?ご主z「んっん!」司っていう人間がS級冒険者になったんですよ!」


兵士に話しかけたのは、猫耳の獣人の女性だった。そばには角が生えている少女がいた。兵士は嘘か疑ったが、なぜかすんなり受け入れることができた。


「確かS級冒険者っていうのは冒険者の中のほんの一握り。国に一人いればいいほうとまで言われるほど少ない。これは国王様に報告しなければ。そして、騎士団に引き入れ、戦力アップ。褒美にお金が・・・。報告感謝する!」


兵士はそういった後国王に報告しに走り出した。


「ふふ。兵士さんには悪いけど。ダーリンのために。頑張ってね?」

「さあ、帰りますよ。ご主人様と早く会いたくないんじゃないですか?」

「ちょっと待ってよ~」


獣人の女性と少女は走り去っていった。このやり取りを聞いたものはいなかった。ただ一人を除いて。


「司が・・・君は何をしているのかな?」

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