鏡文志

第1話 川

川は流れているだけだろうか?


ティッシュが鼻を噛むだけでなく、てるてる坊主を作るように、川も流れ、揺蕩いながらもじっとなにかを考えているのではないだろうか?


川は。笑っているのではないだろうか?

陽気な太陽に晒されて


川は、微笑んでいるのではないだろうか?

陰気なお月様を映して


川は、泣いているのではないだろうか?

雨に降られ、風に流され、雷に脅かされて


川は、怒っているのではないだろうか?

人間たちの、傍若無人に


川は、届けているのではないだろうか?

誰の心にも脈々と流れる、その音楽を

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鏡文志 @kagamibun86

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