書き殴り
@tasumania
虚無感
自分は何をやっているんだろう。
この虚無感を感じるのは初めてではない。
確か初めて感じたのは成人式の日、小学、中学以来久しぶりに会うクラスメイトはみんな変わっていた。仕事を始めて大人びた人、垢抜けてかっこよくなっていた人、痩せて美人になっていた人。中には子供連れている人までいた。会って話しても名前を言われるまで誰か分からないほどみんな変わっていた。僕だけが変わっていなかった。時計の針があの頃から止まったままのように、僕はなんの成長も変化もしていなかった。会う人全員に「変わってないね」と言われた。
その後の飲み会も二次会も、みんなはお酒の飲み方も女性との接し方も知っていた。外見だけでなく中身まで変わっていた。僕だけが何も知らなかった。まるでその空間にいながらタイムスリップをしたような、1人だけ取り残されたような感覚に陥った。それが初めての虚無感だったと思う。
そして今、僕は22歳になる。本来なら大学を卒業するはずの年であるが、課題もろくにせずに勉強をしなかった僕は留年が決まってしまった。
遊びにうつつを抜かしていたわけではない。ただ単純にサボったのだ。サボったからといってどこかへ出かけたり趣味に没頭するわけでもなく、無意味に携帯を触りゲームをした。時間を無駄にして得られたものは何もなかった。彼女なんて出来たこともない。女性との関わりがないのだから。家という閉鎖的な空間に閉じこもっている僕には関係のない話であった。
僕は何をしているんだろう。何のために大学に進学したんだろう。時間とお金を浪費して得られたものは多少のゲームの知識とSNSで得られた浅い知識だけであった。
虚無感が僕を襲う。明るい未来が見えない。何者にもなれないしなろうとしない。努力をしない。自分の生きている価値が分からなくなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます