第2話 暗殺危機
「取り敢えず……こいつらの返却はお前らに任せる。こいつらが暗殺しようがどうだろうが、どうでもいい」
どうでもいいの……!?そうなの!?私は生命の危機なんだけどぉ……。
「本気で殺したら次こそ本当の忍同士の戦争だ」
ニタァッと嗤う
だってまるで……彼はそうなることも楽しそうだと言わんばかりの雰囲気なんだもの。
「その子はどうするおつもりで?」
「ん?俺たちの正体を知った以上は……決まってるだろ?こちらの気も知らねぇで勝手に舞い込んで来たのは……お前の方だ」
ゾクリ。
……え、えと、あのー……。一体私はどうなる運命で……!?一応助けてくれたのよね?助けてくれたのにまた生命の危機ドSとかは勘弁して欲しいのだけど……!?
「そんじゃ」
彼はそう告げると、不意にまた身体が浮き上がり、塀の中へ……って。
「ちょぉ――――――っ!?この塀は越えていいものなの……!?私これでもカタギなんですけどぉ~~~~っ!?」
ここって入ると恐い目に遭うテンプレじゃないのぉ――――――っ!?
「あぁ……?ずっと外に突っ立ってるつもりか?
「……え?あの……?」
塀の中に着地した
「……あん?おい
「女連れ込むたぁいい度胸してるじゃねぇか」
ひぁ――――――――っ!?明らかにヤバそうなコワモテのおぉぉっ!!!
「うるせぇ黙れ。串刺しにすんぞ」
クナイでか!?クナイでなのか!?さっきの見た以上はクナイを想像してしまう!と言うかこんな恐そうなお兄さんたちになんつー口の利き方を……!
そしておっさんと呼ぶには抵抗を覚えちゃうお年頃――――――――っ!!
「がはははははっ!それは勘弁……!万が一尻に刺さったらどうすんだ……!」
そう言う問題か!!?そうなのか!?
「しかし……
ギクッ。それって……その、間違いなく
「
き、がくし……?また知らない用語が……。
「なら、いいけどよ」
「
「ふん」
しかし
「あの……
「
「え……?」
下の……名前?まぁ確かにさっき、フルネームを呼んだけども。
「いずれ夫婦になるんだ。苗字はおかしいだろう?」
「はい……!?ふう、ふって……何で!?どこがどうなって……あ、ニンジャコスプレイヤー同士付き合おってことかー!趣味が合うのはいいことだ……!うん!」
それにどことなく初恋の君に似てるし、顔は悪くない!目付きとニヤリ笑みが凶悪なだけで……!
「コスプレじゃねぇよ。お前分かってんのか?俺と結婚しねぇと、マジでカミカクシに拐われんぞ」
にこぱーっと凶悪とは真逆な笑みを見せてくる
「いや、マジで分からないっす」
「なら取り敢えず来い」
「いやー、行っても来なくてもまだおろしてもらえませんが――――……あの、自分で歩くけど」
「もう着く、諦めろ」
「自立歩行をぉっ!?」
※※※
「……んで、お前は何で生命狙われてんだ?」
帰らずの屋敷(※命名:私)に連れ込まれた私は、母屋と思われしでかい屋敷の裏にある離れ……といってもでかい。離れだけどもそれ相応にでかい屋敷に連れてこられていた。
そして目の前には
うーん、顔は同じだけど、学校での
でもその目だけは同じなのよね……。あと初恋の君に良く似てるのがまたさらに……ぐ……っ。
「いや、私が聞きたいくらいなんだけど……」
「狙われる覚えは?」
「いや……うーん……まさか……っ。
「……いろいろとツッコミたい部分はあるが……大体何でうちの
「いやそれは……てか、
「そうって何がだ」
「
私の早とちりだったとは……。
「でも、やっぱり推しカプのことだもの!語るのは任せて……!」
「はぁ……」
そしてもしかしたら……仲間が増えるかもしれないよ、私のオタ友ヒョウカちゃんっ!
「いい?うちのクラスには現在2カップルがいるの。1組目は学校で庶民と呼ばれる出身ながら、特待生枠で入学したヒロインちゃん:
「あ――――……何か目立ってた女か。
「いや、あんた何してんの、みんなのヒロインちゃんに。成金お嬢とか我が儘お嬢にやっかみとか受けてるけどけなげに頑張ってるヒロインちゃんに何殺気出してんのよ。今日だって、
「何か思い当たったのか?」
「まさかあれが原因かしら……。その……ヒロインちゃんのイチオシヒーローがいるんだけどね。その名も……
「あん?そんなのカタギから見たオモテの顔だろうが。
「……あんたほんと
「ここでその言い方はやめろ」
「え?」
「おやっさんもクソジジイも
「あ――――……そう言う意味?」
てかクソジジイ?クソジジイって誰かしら、
だって本当に怨んだら……クソジジイでは済ませないものね。
「じゃぁ……
今をときめくキラキラネーム、
ついに推し活のため、
「因みにそのキラキラネームはおやっさんの趣味でな――――……、本人は呼ばれるとめちゃくちゃ眉間の皺が険しくなる」
ぐはっ。アカンやん。
「じゃぁ……
「可だ」
あざぁ――――――っす。てか何の試練よ、これ!!
「じゃぁ話は戻るんだけど、
因みに
「……うちの
「大いにあるわよ!」
「ふぅん?話してみろ」
「えぇ、もちろんよ!実は
だって現代日本だもの!自由恋愛時代だもの!
でもこう言う世界には隠された政略結婚なんてのもまだあるわけで……。
「そしてそのお嬢さまこそがライバル令嬢の……
「あぁ……さっき
「そうそう、その
「……それがどうかしたのか?」
「どうかって……新たなときめき恋のステージ爆上がり!!私はここに……
「……ふぅん……お前の話は分かった」
「ほんと!?
「……んで、お前が思う心当たりって何だよ」
は……!その話がぶっ飛んでた……!
「いや……ほら。
「はぁ……ヒロイン体質?」
「そう……中には
「だから?」
「陰からこっそり……グミの実を蒔いてやったの。令嬢たちは驚いて逃げて行ったけど……。く……っ、バレてないと思ってたのに……。私が犯人だと突き止めて……それで生命を……っ!?」
「本当にそうだとしたらその令嬢はアホだぞ」
「仕方がないのよ。教養の高いマジお嬢さまばかりじゃないの。中には家に金だけはあっても教養が身に付いていないお嬢さまもいるのよ。全く……1年生だからとはいえ、それが原因なわけないし。
ごめんね私のターンのセリフ長くて……!でもそれがオタクなの!ついつい息継ぎもせずに語りすぎちゃうのおぉっ!!
「……推すだの萌えだのなんだのは知らんが……結局理由は分からないってことだな」
「んー……そうねぇ。それ以外は……」
一瞬実家のことが思い浮かんだが……いやそんな……まさか……?
「……やっぱり
「それはないな。
「それって
「そう。そして双方オモテと裏を取り仕切る商売仇。
「そりゃぁ
「そこが一番気になるんだが」
「……え?」
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