一匹狼の谷口くん

@naoto08

第1話谷口くん

 僕の名前は谷口直哉。高校1年生。どこにでもいる平凡な高校生だ。

高校生活が始まって1か月。友達が一人も出来ていない。

というのも、僕は人と話すことが苦手だ。

 中学時代、僕はいじめにあった。話しかけても無視されたり、陰口や悪口を言われたりしていた。いじめられた原因は分からない。

 

 それ以降、対人恐怖症になってしまった。だからずっと1人でいる。1人は楽で良い。誰にも邪魔されないし、自分だけの世界に浸れる。

 周りのクラスの人はほとんど友達が出来ていて、いくつかグループが出来上がっている。いわゆる陰キャ、陽キャみたいな感じ。正直そこまで興味ない。

 みんな普段どんなことを考えて生きているのか。なんで友達が欲しいのか。僕には分からない。嫌われるのが怖い。みんなに好かれたい。とか色々なことを考えてるのかな。そんなことを考えながら、高校生活を送っている。

 

 ある日、クラスで席替えをすることになった。新しい席は一番後ろの窓際の端っこだ。アニメや漫画でよくある席。僕にとっては有難い。窓の外を眺めることも出来るし、落ち着ける。

 ある授業中、ボーっとして外を眺めていると話しかけられた。

「ねえ、谷口くん」

これが僕にとって初めて、クラスの人と話した記念日でもあり、僕の人生が少し変わっていく。

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