エルフ✖️魂
弐戸羅
冒険の始まり
第0話序話
歴史書
動物には魂が宿っている。生命の心の動きをつかさどるものであり、生きている証。
魂抜けした者の心は無くなる。
体から出て行った魂は天に上りやがて、二つ目の魂として、死んでしまった元の姿を借り、人の体の中に入る。その人間の魂とぶつかり合い結びつき、人の体は出来上がる。
これは、世界の
亜麻元年。ある国が内戦を始めた。約二百三十年で平定される。
紅蓮50年。とある武器ができた。
赤柴530年。赤柴天皇死亡。
無色50年。犯人不明の暗殺が相次ぐ。
無色87年。別の世界、黒国との戦争が始まる。
「何だ、これだけか」
黄髪の女は、不貞腐れたような表情で書物を見つめる。
「これだけか、ではありません。一万年以上前まで書かれた歴史書ですよ。そうそう見つかるものではありませんよ。」
「そうだぞ。エルフの遺跡を探しても、こんなに前のものは見つからなかったからな。」
黒髪、敬語の男と茶髪でタメ口の男の二人は、女をなだめ始めた。
「だからといってできないものはできないんだ。」
「私はわかりましたけどね」
男の一人が信じられないことを言った。
「「は?」」
声が重なった。
「あはは、そんなに驚かなくても。簡単ですよ。お二人もたまには一緒に行きませんか?行けば、分かりますって」
「まあ、悪くはないなあ。行ってみるか。」
「じゃあ行きましょう。いつが一番わかりやすいですかねえ」
「この目で見れればいい。赤柴530年に連れて行け」
「分かりました。時空を移動します。3、2、1、」
「次は鞦韆100年へ」
「はい?」
「?どうした。」
「や、なあんでもありません。はい、3,2,1」
「大体わかった」
「でしょう。案外簡単なんです」
「で、結局どこだ。」
「鞦韆50年」
ぼそりとつぶやいた。
「どうしてですか?」
「お前には関係ないだろう」
もう一人の男がコロコロ笑いながら言う。
「そうだな。関係ない。」
女も参戦した。
「もう、二人して何なんですか。気になったんです教えてください。」
「そういうのいいから」
「ですからあ」
「あ。じゃあ、俺がやってもいいか。」
「絶対だめです」
笑っていた男が妙にうれしそうに聞いてきたところをすかさずぴしゃりと止めた。
「だったら早くいけ」
「教えてくれれば喜んで」
「ほんとに俺がやっちまうぞー」
横からちょいちょいと茶化す暇人は、男の脇腹もちょいちょいとつつき始めた。
「そういうのいいから」
「本当に、教えてくれれば良いだけなんですからあ」
「いいから」
「いうこと聞いてます?教えてくださいって言ってるじゃないですかあ」
「いーから」
「いやほんとーにー」
「いーから」
「教えてくれたって」
「はいもう知らん勝手にやるどけ」
女はしつこい男にしびれを切らしたのか、超棒読みで操縦席を陣取る。
が、やはりそこは譲れないようで、教えてもらうのはあきらめ、男は操縦席を取り戻した。
「じゃ、ちょっと行ってくる」
「ちょっとじゃないことをお忘れずに。あと私はたまに帰ってきますからご安心を。では行きますよ、3,2,1」
「、、、ちょっとじゃねえんだけどなあ」
まあ、それもルーラらしいか。そう、一人の研究者は
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