日記 名前・茅葺蒼

 村に人が増え始めてやる仕事が増え続けています。正直、しんどいけどさっちゃんのためならと思うと頑張れます。ただ、座り仕事が多く体力が減ってるのは感じます。この前も床入れ数回で倒れてしまいました。さっちゃんはそれだけじゃなくてもええ、普通に映画でも見よやと言われました。優しさは嬉しいです。でも私は人嫁ですのでそうはいってられません。村には他にも可愛い子が入ってきてます。鏡で自分の顔や体を見返します。


 不健康な肌、青ざめた顔。


 酷く落ち込みます。


―――


 奥座敷の開放をうぶなさまに依頼しました。既に体力的にもさっちゃんを満足させれる状況ではありません、悔しいですけど村の老人たちからも提案されているので仕方がない事だと思います。さっちゃん以外の村の人は移り気な人、それは分かっているので。さっちゃんはどうでしょう、私に飽きたりしないでしょうか。可愛げのない女なのでもしかしたら…そう疑う気持ちがたまにあります。


 でも信じています。私はさっちゃんの人嫁ですので。そうじゃないと私は立ち行かなくなってしまいます。


―――


 離れで1人泣きながら書いています。


 床入れ一つ出来なくなってました。多分、過労から来たものだと思います。さっちゃんに抱きしめられて寝てしまいました。外部入口からくる不届き者、入ってくる村人の身辺調査、ダンジョン協会との交渉、動画の編集、その他にも初心名村を大きくする為に必要な事を1人でしてるからなんでしょうか。もう限界かもしれません。


 大和に幾つか業務権利を手伝って貰えるようさっちゃんに言ってみます。悔しいですが仕方がありません。頭がおかしくなってるのかもしれません。笑われている気がします。


―――


 大和が羨ましいです。


 私と違って健康的で肉付きの良い体つき、明るくて愛される性格、私も知らない最新の都会知識、、仕事もテキパキとやってる、ダンジョンのことだってかなり詳しい、何もかもが妬ましい。


 ジジババ達も好きな理由が分かります。私も、もっと、明るい性格ならと思いますが、私には空元気しか出来ません。出来ることをやるしかない。


 でも、さっちゃんと会う時間がますます減ってます。


 さっちゃんも奥座敷にいる時間が増えています。


 私の身体のことを心配してるのでしょう。その優しさが酷く心を蝕みます。何もかもが妬ましくて、昔に戻ったみたいです。


 近頃、大和周りの女性から笑われている気がしています。気の所為だと思いたいです。


―――


 久しぶりに大笑いしてしまいました。


 心底安心しました。


 てっきり大和はその魅力で、その愛嬌で、人から、さっちゃんから愛されていると思ってましたが違いました。仕掛けがありました。良かった、良かった!!!心底ほっとしました!!!なんだ、そういうことなのか、肩の荷が降りました。


 スパイがどの人間に化けてるかも把握しました。


 多分、ダンジョン協会としては内ゲバを誘発するための捨て石として大和を扇動してたんでしょう。なので彼女達にはどんどん動いてもらおうと思います。既に彼女達はうぶなさまの逆鱗に触れ続けている。いつ死んでもおかしくない。いい気味です。その時をこの目で見るのだけが楽しみです。


 自分の性悪さに嫌気が差します。でも私はこういう生き方しか出来ません。全部終わればまた離れで仲良く三人で過ごせると思います。


 …そう思うと少しばかし奇妙なのはうぶなさまの挙動です。あれほどに勝手や無法を何故赦しているのか気になります。


 ねえ、、どうせ読んでいるのでしょ?あなたの推理を書いて下さらない?


―――

 これだけ筆跡が違う。


 お供えの質を上げ、より大きな願いを叶えるため

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