第17話 初めまして


試験があった次の日、時刻は大体11時。

俺はギルドに来ていた。


「あっ、碧さん!」


俺がギルドに入ると、掲示板に依頼書を貼っていた

サリナさんがこちらへ小走りでやってきた。


「おはよう、サリナさん」

「おはようございます碧さん!結果来ましたよ!」


そういうとサリナさんは受付カウンターの中へと

入っていき、白い封筒を持って戻って来た。


「こちらです!中はまだ私も確認して無いです」

「そうか、なら一緒に見ようか」

「はい!」


俺たちはキルドにある酒場の端に行く。


(やばい、思ったよりドキドキするな)


「よし、開けるぞ....」


俺は覚悟を決め、封筒を開けて中の紙を取り出す。

そこには...


『特待試験の結果、Cランク冒険者として

登録する事が決まりました』


「よしっ!」


俺は思わずガッツポーズをしてしまった。


「やりましたね!」


サリナさんは自分の事のように嬉しそうにする。


「いやぁ〜凄いですね!本当に滅多に無いん

ですよ?こんな事」

「お、中にギルドカードも入ってるな」

「ギルドカードは身分証の変わりにもなりますし、すっごく便利何ですが、無くすと少し大変

なので気を付けて下さいね!」


サリナさんは喜びながらしっかり説明してくれた。


「これで俺はBランクの依頼まで受けられるって

事で合ってるか?」

「はい、合ってます!ギルドランクを上げる

為には、Bランクの依頼も幾つか達成しないと

いけ無いので、頑張って下さい!」


「明日辺りから早速依頼を受けようかな」

「昨日戦ったばっかなのに、大丈夫なんですか?」

「大した怪我は無かったし、もう殆ど万全だから

平気だ。今日はこの街の散策をしようと思ってな」

「そうなんですね、良かったです!街の探検、

楽しんで下さいね!」


俺はギルドを後にし、街の散策を始める


(何気にしっかり散策をするのは初めてなんだよな。ギルドと宿の間にある店で飯とか寝巻きを

買ったりはしたが、それ以外にも気になる店とか

いっぱいあったから、今日は異世界を楽しもう)


街を適当に歩いて、色々な店を物色して、

気付けば1時ほどになっていた。


「これとこれとこれを10本ずつ頼む」

「あいよっ少し待ってな」


俺は屋台で串焼きを買うことにした。余った分は

皮袋で保管しておけるしな。


俺は串焼きを食べながら適当に歩いていた。


(やっぱりこの世界の飯は元の世界地球より美味いな)


俺はこの世界の飯の美味さに喜んでいると、気付けばスラム街の様な所に来ていた。

傾きのあるボロい家、汚れた衣服を纏う、言い方を選ばずに言うと不潔感のある者達。中には痩せこけて骨の形が浮き出る者、傷だらけの者もいた。

そのまま少し歩いていると、人影が薄れていた。


そこで、俺の足は止まった。俺は目を見開く。





―――それは、運命だったのかもしれない。

を見た瞬間、俺の心が早鐘を打つ。

肩の少し先まで伸ばされた、明るい茶髪から

覗く猫耳、1枚だけ身に付けた大人用の

ボロいシャツから飛び出ている猫のようなシッポ、

所々傷や包帯が見える骨ばった体。

そしてなりより....


何故かを覚える黄金色の瞳。


俺の足は自然に、恐らく10代前半程の少女に

向かっていく。


「初めまして。君の名前は?」














◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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