連載コミック・なんでも相談しちゃいなさいよ。

柴田 康美

第1話 あぁ、いじめ。なんでも相談しちゃいなさいよ。

 あぁ、新聞になんでも相談欄が載ってる。これを読むのは三度のメシより好きだ。ほれ、きょう新聞を持ってくるなりそれを広げておる。あぁ、就職じゃなくて、終活。あぁ、新婚じゃなくて、離婚。あぁ、年金じゃなくて、監禁。あぁ、食後じゃなくて、老後。あぁ、胴上げじゃなくて、値上げ。ああぁ・・もーぅたいへんに喜ばしいすてきな投書のランキング。もっと読みたい。わるいけど他人のもめごとや失敗談は読んだらおもしろくてためになる。うれしくてわんわんほえたいくらいだ。自分の失敗もこれからはおおいにおもいだすことにする。自分の失敗も誰かさんの失敗とおもえば楽しく読める。成功じゃなくてみじめったらしい失敗を老耄あたまでじわじわ想い出したい。みんなわたしのことを日本脳炎のなりそこねとバカにしておる。ところがどすこい、おもいだすまで死んでたまるかはっきよい。

 

 きょうの新聞にも学校のイジメの相談が載っていた。なんでも学校で子供がいじめをうけたのでおかあさんは頭に血がのぼって無免許のクルマで学校の職員室へ怒鳴り込んだらしい。この子のおとうさんは地方の名士だという。名士にもいろいろある。信用金庫のれっきとした頭取だという。なので校長と教頭が玄関へ飛び出てきてバッタのように平謝りに謝ったそうだ。これはこれはオクサマ本日はお日柄も良くと言ったか言わなかったか。でも、どーしてこーすぐに謝る。この場はとにかく要領よく頭だけさげておけばよいと思っているのか。この記事を読んだときいちばん先にそれをピッピッと感じた。いやしくも校長たる者がぺこぺこクモやカエルごときであたまなんか下げるべきではない。もっと毅然とした西郷の銅像みたいな態度でいてもらいたい。この場合イヌは連れていなくてもよい。あたまを下げる場所はほかにいっぱいあるのではないか。世間でいわれている有名なセクハラとかパワハラである。女子事務員がよくシリをさわられたというはなしはつたえきいておる。これがいかん。さわるならおっぱいを堂々とさわれ。こそこそさわるな。登下校で靴の中にカエルをいれられたりシャツの後ろの衿からクモを入れる悪ガキがいるらしいのはわかる。べつに珍しいことではない。悪ガキは昔からいた。そんなビックリするような話しでもない。それに動転して無免許でのりこむようなあぶないハナシではまったくない。カエルやクモという益虫も迷惑だぞ。


わたしはこれを読んで笑ってしまった。こんなのはイジメとは言わない。言わせないぞ。かわいいものだ。靴やシャツに昆虫を入れたこどもにはおもしろいねキミとジョークジョークと頭をなぜたいくらいだ。こんにち教育の現場は堅苦しくしすぎる。やれ成績が学年で何番とかやれ今後の進路とか偏差値とか、わたしならとっくにさっさと中退しておる。現代のイジメはもっと陰湿な陰口や悪口や批判である。小学生のくせにスマホを使ってグルになって組織的にいじめ犯罪をやる例もある。その手口たるやおとな顔負けの陰湿極まりない手口だけに表面には出にくい。やるならこっちのほうのテッテ-テキな取り締りなのだ。



              (owari)

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