春の習作

夜鷹掌

ムカシのEarth!

小さな足跡

幾つかの身体が豪腕で束ねられ

それは人間ではないかのように大きくなったり小さくなったり、もがきながら、

イメージの草に顔をうずめ語りかける 動かぬ目が静かに炎を呼ぶ

焼かれる窒息に 死んだ・・・

片手をかざす、別の俺の視線の落ちる先は

箱庭の、青いプラの底を涙で満たす

粘土のムラをつくり 住人となった生き物のフィギュアが洪水被害

黒い影が地上の毒をも吸い込み夜の舞踏に参列するから

降りしきる雨の暗いガラスの向こう側をずっと見つめられた、それまでは


捧げる花の輪は、大きすぎて

世の静けさを首筋に意識させ

階段の熱砂 踏むことなくケンケンパ

イメージの暖炉で涼む夕食後 

目が自然と散らばり

大きな瞳は茶色の臆病を隠さず 拡大する箱庭へ飛ぶ

ネジをアイスクリームに溶かす 世界の片隅の影

甘く、冷たく 身体を為す

小さな喜びが隠れきれず震えている


無邪気にかき回す

ビオトープ

煙幕

最初の嗚咽を忘れた卑しさ

水は色々な顔を見せずに

不思議は誰かの後ろ姿にハッとしていて

駆け出すしか知らない

それは世界に安定を示して

均衡という名の

男につくれる 不思議な浮き輪


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