消しゴムと備忘録

第4話 心のスケッチ

　ケンジはミナの助けを借りて、失われた記憶を描き出すためのスケッチブックを用意した。　スケッチブックに向かい、ケンジは震える手でペンを取った。彼は心の中にある両親の記憶の断片を、インクで丁寧にスケッチしていく。

「父さん、母さん、僕はあなたたちを忘れません。」

　と彼は囁きながら、愛する人の顔を一筆一筆と描き出した。

スケッチブックはやがて、ケンジの心の風景を映し出す貴重なアルバム（備忘録）となった。

　しかし、もともと記憶の消えていたケンジはでは、まだ両親の記憶を完全には取り戻せていなかった。彼はミナと共に、記憶を取り戻す最後の鍵を見つけるため、文献に書かれていた古代の遺跡へと旅立つ。