⑯惚れ酔いの夜 ※性描写有り。


「ふわぁ…お疲れ〜」

「夢玖ちゃんお疲れ様〜」

「お疲れ様〜!とりあえず座りなよ!」

「あ、うん」

大学から始まって二ヶ月。その頃には運動の授業や座学の授業には慣れ始めていて、サークルには入っていないものの、とても充実している。今日はバイト帰りに夜海の部屋で女子会をする。その足で彼女の部屋まで来て、中に入った。

「遅くなってすまんなぁ…ちょっと廉命さんが我儘で」

「後で言っとくね……とりあえずなんか飲む?あ、そうだ。ちょっとお酒飲みたくない?」

「お酒…?私も仁愛ちゃんも成人しとらんで?捕まらへん…?」

「大丈夫だよ…高校卒業してんだから…ほら仁愛ちゃんもこの通りっ!」

「えっ?」

「ふぅ……夢玖ちゃん……うふふっ」

夜海の銀色の瞳が何かを企んでいる。それに今の仁愛は少し火照っていて、白い体も顔もほんのり紅く染まっている。頭もふわふわしているみたいで、少しだけ言語と服装が乱れている。「暑い」と言い、オフショルダーの服を少し下げ、胸元を露出させていた。一体酒はどんなに恐ろしい液体なのだろうか…。

「いや……てか夜海ちゃんは…お酒強いん?」

「全然〜?ちなみにこの缶四本は飲んでるけど全然酔ってないよ?」

「ひぇぇ……そりゃアカン…肝臓が心配や」

「大丈夫大丈夫。さぁ、夢玖ちゃんも飲んで!」

ちょうど彼女が口つけていた五本目である、缶のカシオレを口に含んだ。アルコール度数は七パーセント…それが喉を潤した瞬間、頭がふわふわして、力が抜けた。

「夢玖ちゃんも弱いんだねぇ……可愛い」

「……夜海ちゃん……なんか頭…ふわふわする……いやや……助けて……廉命…しゃん」

「廉命君かぁ…最近会ってないけど、彼とはどうなんですか〜?日出夢玖さん」

「まだそんな関係ちゃうし……相変わらずやで……」

「へぇ?でもこの前……如月さんのせいで理性保つの大変だって言ってたよぉ?」

頭が上手く回らず、本音が出てしまう。それに、私のせいでなぜ廉命さんの理性が大変なことになるのか…全く想像がつかない。すると夜海は耳元で「練習しようか」言った。

「練習……?何の…?」

「ふふっ……それはね〜?」

「んむっ……ぱちぱちする……んっ」

「夢玖ちゃん、また胸大きくなったよね〜?毎日廉命君といるから常にドキドキしっぱなしだもんね〜?」

「やだっ…あぁっ……んっ」

「保健体育の…ね?」

唇に唇が重なり、そう言って夜海は……服越しに乳房を弄ってきた。最初は撫でたり揉んだりした。初めて胸を触られた感じ……しかも異性ではなく同性…。思った以上にテクニシャンで、酒の効果もあり、余計感じてしまう。

「……んっ……あんっ……やんっ……♡」

「凄い感度…可愛い」

「あかんっ…なんか、……きそう…あんっ♡」

「もういくんだ〜?早いねー…これなら廉命君を大満足させられるね」

直に触られてるわけではないのに、胸の中心が疼いてしまう。夜海の想像以上のテクニシャンな手により、間接的に乳腺を刺激されている。すると彼女は服の中に…下着の中に手を入れ………

「ひやあぁっんっ…!」

「廉命君のこと話したら…感度良くなった……なんかコリコリするのがあるよ〜?」

「ふあっ…いや……あんっ……ふわぁっ!」

「もしかして…廉命君に触られてるのを想像している?夢玖ちゃん可愛い」

直に胸を触ってきた。彼女の手のひらの中で、私の硬くなったものが転がされている。更に胸の疼きは先端どころか乳房全体に広がった。それは夜海のせいではなく、間違いなく廉命さんのせいだ。

「夜海ちゃ……あっ!やめ………ひゃあっ!♡」

「だいぶ膨らんできたねぇ?そろそろかな…」

「えっ?」

彼女は……乳房の中心の突起を片方摘み上げた。それと同時に私は果ててしまった。果ててる私に容赦なく夜海は親指と人差し指でキュッと摘んだり親指の腹でくりくりと転がされたり、ピンッと弾かれたりしてきた。廉命さんに抱かれてると思うとそれだけで、短時間なのにも関わらず、私は何度も果てて、その場にいない彼を感じては夜海の手によって蕩けている。

「……可愛い声だなぁ……でも廉命君にしてもらった方が気持ちいいか…」

「夜海ちゃん……その…どう、して……あっ♡」

「もうね、すっごい濡れてるよ。びしょびしょ……廉命君の時はもっと凄いんだろうなぁ…」

「もう…許し……ふわぁっ!」

「ふふっ…今度一緒に…お風呂でも入ろうか……廉命君を……気持ち良くさせるための…練習ね」

夜海は私のズボンの中に手を入れ、ショーツを触っては「濡れてる」と言う。それは一体どういうことなのだろうか。酒の力もあり、最低限の性行為に関する知識が薄れている。すると彼女は体勢を変え、後ろから抱くようにし、背後から直に胸を弄りながら耳を責めてきた。

「……夢玖ちゃん知ってる…?耳が弱い人ってね…」

「んんっ……ふわぁっ!あんっ」

「胸弱いんだってさ……ほら………」

「ひゃあああんんっ!♡」

「またいっちゃったねぇ……」

彼女が言うには「耳が弱い人は胸が弱い」らしい。それが私に当てはまっていて、耳に息が掛かるだけでも十分感じてしまった。その時に私はまた果ててしまい、そのまま眠ってしまった……。


「如月さん…何度電話しても出ねぇなあ…」

「……夜海達と女子会とか言ってたよな……電話するか………もしもし夜海?」

<廉命君、やっほー。どうしたの?>

「いや…如月さん知らない?心配なんだけど」

<あー、実は夢玖ちゃん寝ちゃってさ……ちょっと大人の遊びをしてたらそのまま悲鳴上げて寝ちゃった>

「何だそれ……とりあえず、如月さん迎えに来るから…じゃ…」

日付が変わり、時刻は深夜の二時。流石に如月さんが心配になり、夜海に電話した。大人の遊び、一体どういうものだろう。確か如月さんは悲鳴を上げて寝てしまったと言っていた。とにかく貴重品と部屋の鍵を持ち、夜海の部屋へと歩いた。彼女の部屋に着くなりインターホンを鳴らすと、彼女が出た。

「……何してんだよ…てか大人の遊びって?」

「知りたい?ちょっとお酒の力を借りて、夢玖ちゃんは廉命君を満足させることが出来るか確かめてたの」

「ええと…酒って……飲ませたってことか?」

「と言ってもほんの一口だよ?夢玖ちゃんも仁愛ちゃんも弱すぎだよ……私なんか五本飲んでも全然酔わないのに」

「いや夜海が異常に強いだけだよ……てか、如月さんは大丈夫なの?」

正直俺は夜海の酒に対する異常な耐性に呆れている。五本飲んだのにも関わらず、全然酔っていない。俺は中に入れてもらい、如月さんを迎えに来ようとしたものの……

「如月さん…?」

「二人とも寝ちゃってさ…」

「……てか気になってたんだけどさ、本当に如月さんに何したの?」

「………いつまで経っても廉命君が動かないから、夢玖ちゃんの触ってたよ。あれからだいぶ成長したよねぇ…」

「あくまでも……じゃれあい…的な?」

「いや……直接触ったよ?感度も良かったし、何度もいってたなぁ………あと…」

唇も奪っちゃった。そう夜海が言うと、俺の気持ちは嫉妬へと変わり、何かが壊れそうな音がした。

「まあまあ。でも私に犯される夢玖ちゃん…想像してみて?」

「………悪くない。とりあえず、如月さん連れて帰るね……仁愛ちゃん、夜海…おやすみ」

「おやすみ〜!あ、今度一緒にお風呂入るから!一日夢玖ちゃん貸してね?」

「貸すかっ!」

夜海の部屋を後にし、歩いて眠っている如月さんをおんぶしながら、住んでる部屋に戻った。如月さんをベッドに寝かすと…彼女の艶を帯びた唇から微かな声が聞こえた。それはいかがわしい喘ぎ声で、それだけで俺は興奮してしまった。

「んっ……ダメやって……胸は…あんっ」

「(ダメだ……彼女が成人するまで…俺は……!)」

「あかんっ……なんか…出てまう…♡」

その言葉と同時に、俺の中の何かがブツっと切れた音がした。彼女と同じ部屋で暮らし始めてから我慢出来ずにずっと溜め込んでいたものが、一気に爆発した。俺は如月さんに覆い被さり、ベッドに組み敷いた。無防備な唇に酒によりほんのり紅く染まった白い肌、宝石のように澄んだ深緑とオレンジのオッドアイに胸の下まで伸びた柔らかくサラサラな黒髪…。如月さんの一つ一つが、周りの男を魅了し、虜にさせる。化粧も上手くなり、こんなにも可憐で綺麗になった。箱ティッシュから一枚取り出し、塗られた口紅を拭き取り、唇を重ね、そのまま舌を入れてしまった。

「んむっ……ちゅ……あんっ…いやぁ…」

「(舌も唇も……柔らかい…)」

予想以上に舌や唇は柔らかく、舌を絡め合った。唇を離すと、俺の舌と如月さんの舌が…透明な糸で繋がっていた。それと同時に如月さんは目を覚ました。

「……ここは…?あれ、夜海ちゃん…」

「俺達の部屋。俺が迎えに行ったんだよ……」

「そ、そうなん…や……ヒック……って…廉命さんの……えっち…」

更にその言葉で興奮した俺は、彼女の着ていたシャツのボタンを全て外し、色気ないスポーツブラに包まれた乳房が姿を現した。俺はスポーツブラの下に直接手を入れ、それを…揉んでみた。それはマシュマロのように柔らかく、思ってた以上に豊満だった。五本指が乳房に沈み、指の隙間から硬くなっている何かが当たった。指先がそれを、くりっと当てた。

「あぁっんっ!♡」

「…………」

「……いやぁっ…んあっ!……廉、命…さん……あかんっ♡」

硬くなった突起を弄ると如月さんの反応は良くなり、俺の性欲のボルテージが最高値に達した…。俺はひたすら如月さんの乳房を揉みしだき、彼女は何度も果ててしまった。今の雰囲気を機に……如月さんと一つになりたいと思う自分がいた。今は運動の授業があり、柔道で彼女とやる時、彼女の胸が当たったり、寝技による彼女の体勢でいやらしい姿を想像してしまったり……。如月さんと性行為をしたい…彼女を独占…抱きたい。でも…

「……ごめん如月さん……」

「ふぇ…?」

「………君が…成人してから……続きをしよう」

「……廉命さん……はい」

最近、如月さんは俺と話す度に顔が少し赤く染まっている。やっと……俺が抱いている恋心に気付いたのだろう。俺は如月さんの乳房から両手を離した。この先の続きは…彼女が二十歳になって、恋人や夫婦になったら……したい。

「…とりあえず、明日も早いからシャワーも浴びてきなよ…髪乾かしてあげるから」

「はぁい……廉命さんが髪乾かすと…ツヤツヤになるので……お気に入りです」

「……そっか」

今の大学生活は、希望さんがきっかけで始まっている。あの時彼が如月さんを拾って、一緒に働くようになって……。本当に彼には感謝しかない。そうだ。今度俺から飯にでも誘ってみよう…。




……To be continued

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