Vの姿になったけど配信します!〜現代にダンジョンが出てきたけど私は行きません〜
神無月
第1話
「今日の配信はこれでおしまぃ。それでは皆様またねぇ」
リスナー
:おつかれー
:今日も楽しかったよー
:おつー
:1000円【次も楽しみにしてます!】
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
「ふぅ、今日も楽しかったぁ」
音声が切れてることを確認してからヘッドホンを外し一息をつき、目の前のパソコンを見る。
画面には黒髪狐耳の女性が映っている。
それが私、
VTuber、それは動画配信サイトで仮想の身体を用いて配信を行う配信者の名称。
私は大手VTuber事務所FantasyWORLDの1期生として所属しており主にゲーム配信や雑談、歌枠等色んな事を配信している。
「次の配信のサムネを作ってー、マネージャーに連絡してー、ツイットしてー」
やらないといけない事を頭に浮かべながら、床に足がつかないゲーミングチェアにあぐらをかいてエネルギーバーを口に咥えキーボードをカタカタと打っていると
「……zZ…うぁ! やば、寝かけてた。ここ最近忙しかったから疲れてるのかな?」
眠気を覚まそうと机に置いてあるエナジードリンク(稲荷味)を飲もうとするが
「あ、もう無理」
眠気が限界に来たのか、そのまま机に突っ伏して寝落ちしてしまった。
『ステータスを獲得したため魂の情報を更新します』
『更新中』
『更新完了』
『種族が変更しました【人族】→【狐神】
ジョブを獲得しました【狐巫女】【アイドル】【VTuber】
スキルを習得しました【武芸百般】【符術】【身体強化】【神化】【歌唱】【偽装】【変化】【鑑定】【料理】……
称号を得ました【いたずらに巻き込まれし者】【最強の一角】【狐系アイドルVTuber】』
『仮想データを確認、【狐神玉藻】の身体及び設定データを適応、身体変化を開始します』
『身体変化完了、魂と同期します』
『同期完了』
『それでは良いファンタジーライフを』
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
ヴーヴー
「……ぅあぁ」
ヴーヴー
「……ぁあ、なによぉ。こんな朝から電話なんてぇ」
私は身体を起こすと机に広がった艶の入った濡烏色の髪の毛が目に入るが気の所為だと思い払い除け、スマホを手に取り確認する
「あれぇ、マネージャーからだぁ」
眠気が取れないのかあくびをしながらいつも通りスマホを顔の耳あたりに当てるが
「あれぇ、声が聞こえないぞぉ」
壊れたか? と思ってスマホを見るが特に壊れてる様子もなく、声が微かに聞こえる。取り敢えずスピーカーにして返答しようとスピーカーボタンを押す
「はぃ、こちら狐神でs「狐神さん!!大丈夫ですか!!体に変化はないですか!!今大変なことになっていて!!早急に要件だけ伝えます!!絶対に外に出ないで下さい!!詳細は後で全体グループに送りますから確認して下さい!!あと、ちゃんと朝食食べてくださいね!!失礼します!!」えぇー」
何があったし、かなり焦ったような声色と早口で要件だけ話して切られた。
「何よぉ、そんなに急いでかけてくるなんて、体に変化って何があったのよぉ」
不思議に思いながらも顔を洗うためにゲーミングチェアから立ち上がる。
「あれぇ、視界こんな高かったけぇ」
そういえば、椅子から立ち上がる時いつもなら浅く座らないと足がつかないのに、今は深く座ってたのにすんなり立ち上がれた。
「というかなんか胸が苦しぃ」
身体に異常がある? マネージャーも変化があるか聞いてきたし
部屋にある姿見まで移動して鏡に写った私を見る。
鏡に写った私は
ピンとたった狐耳
濡烏色の腰まである艷やかな髪の毛
開いてるのか閉じてるのかわからない糸目
ぷるんと薄ピンク色の唇
チベットスナギツネの顔が可哀想なくらいパツンパツンになってる胸元
くびれた腰
ショートパンツが食込む位むちっとしたおしり
フワフワの黒毛で先端が白い尻尾
身長は175cmくらいのモデル顔負けのボディ
「……はい?」
鏡に写った私はVTuberの私その身体だった
「はい??」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます