記念SS-Re:義姉彼女-

PV数1,000回越え記念! SS-Re:義姉彼女-

『ねぇ、彼方』

「どうしたの母さん」

『最近伶衣ちゃんとはどうなの?』

「まぁ、相変わらず?」

 …っていうか、本当にいっつも聞いてくるなぁ、その質問。

『そう…』

「どうしたの?」

『いや、別に何もないわよ?』

「そう」

『ちなみに伶衣ちゃんは今どこにいるの?』

「買い物行ってる」

『彼方は行かなかったの?』

「僕は…まぁ、伶衣から留守番しててって言われてるし」

『そう。…大学はどんな感じ?』

「まぁ、普通?」

 レポートは結構大変だけどね。

『友達とかは?』

「あんまり居ないかな。あぁ、でも佐藤さんとかとは同じ大学だから大丈夫」

『そうなのね』

「あと、大学卒業したら伶衣と結婚しようかなぁ…なんて思ってる」

『へぇ…結婚。良いじゃない。…息子の晴れ舞台ね』

「まだ気が早いよ」



「ただいまぁ~」

 玄関の扉が開いた音がしたのと同時に、伶衣の声が聞こえる。

「おかえり、伶衣」

「うん。ただいま」

 伶衣から買ってきた食材を受け取って、冷蔵庫に仕舞っていく。


 ソファに座ると、その隣に伶衣が座って、僕の肩に頭を乗せてくる。

「…ねえ、彼方」

「どうしたの?」

「…そのさ」

「うん」

「…彼方が20歳になったら、結婚しようよ」

「………ぇ」

 伶衣の口から唐突にそんな言葉が紡がれる。…いや、20歳って、まだ学生だけども。

「嫌?」

「嫌じゃ…ないけどさ。流石に卒業してからにしない?」

「…それじゃあ嫌なの。彼方が20歳になるまでは我慢できるけど、それ以上は無理」

「…そっかぁ」

「子供も欲しいな」

「…あんまり欲張りすぎるのも良くないよ」

「分かってるよ、大丈夫。余裕があれば、ね」

 …まぁ、余裕があれば…ね。


「それじゃ、そろそろご飯作ろっか」

「うん」

 僕と伶衣、二人の左の手、薬指にはめられた銀色の指輪。結婚してるわけじゃない、夫婦の気分の体験をしてる。


 …この指輪がいつか、本当の結婚指輪になる。そう思うと、少し胸が高鳴る。


 2人でキッチンに立って、ご飯を作る。今日はなんとなく3人前。母さんが帰ってきそうだから。

「たっだいまぁ~」

 僕の勘は当たったようで、夜ご飯を作っている途中に母さんが帰ってきた。

「おかえり、母さん」

「おかえりなさい、お義母さん」

「えぇ、ただいま二人とも」

「…彼方も、結構勘が鋭いよね。お義母さんからの遺伝なの?」

 伶衣が僕の耳元でそう囁く。

「ん~…どうだろ?」

「それじゃあ、私の分も作ってくれるかしら?」

「もう作ってるよ、3人分」

「あら、彼方も勘が冴えるようになったのね。お母さん嬉しいわ」

「…そう」

「相変わらず素っ気ないわねぇ。伶衣ちゃんには甘いけど」

「母さんと伶衣は=イコールじゃないからね」

「それもそうね」


 そうして、完成した晩御飯をテーブルに運ぶ。

「今日も美味しそうね」

「まぁ、いつもとクオリティは変わらないけど」

「その日の味はその日の味よ。唯一無二の味なのよ」

 そういうものなのかなぁ。

「まぁ、それじゃあ早速食べましょうか」

「そうですね」

「うん」

 3人それぞれ椅子に座る。

「「「いただきます」」」

 そんな声が、ダイニングから響いた。


――――――――

作者's つぶやき:皆さん、本当に感謝です…!

して、やはりいつになっても変わらないイチャラブ夫婦具合ですねぇ。書いていてとても安心します。

…けど、今回は少々ボディタッチが少な過ぎましたかね。まあもう大学生ですし、少しは自重するようになったのでしょうか。

次回はPV数5,000回ですかね…。目標は高く、行きましょう。

――――――――

よろしければ、応援のハートマークと応援コメントをポチッと、よろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

義姉彼女─恋人が義姉になりました─ ますぱにーず/ユース @uminori00

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ