第33話 お題【最悪の夢】【血染めの】【国】

 瓦礫のように折り重なっている人達。

 先程まで息をしていた筈。

 眼球の裏に張り付いてくる血染めの服。

 脳裏に浮き上がる焼き焦げた国旗。

 胃の中から何かが込み上げてきそうだ。


 そこで、目が覚めた。

 嗚呼、何て最悪の夢なのだろう。

 肌にべたりと纏わり付く夜着。

 それが真っ赤に染まってなくて、思わず溜め息が出た。

 肺が何かに押しつぶされたかのように、重い。

 嗚呼、安らかな寝息を立てる君を眺めることだけが、私の唯一の安らぎだ。

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