第31話 お題【独自の不死者】【危機に瀕した隣町】【抜ける】

 アンギィニ王は、揚羽蝶のような斑模様のマントを翻し、危機に瀕した隣町を全て焼き払い、逃げ惑う住民を残らず血祭りにあげた。

 彼──それ即ち独自の不死者は、抜ける記憶をものともせず、崖から転がり落ちてゆく王冠に向かって、必死に手を伸ばした。

 しかし、彼がやっと手にできると思った輝かしい栄光は砂上の楼閣だった。

 それはあっという間にがらがらと音を立てて崩れ落ち、その鳩尾へと深々と突き刺さる刃の煌めきと化した。

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