神算鬼謀は中二色〈000.ダンジョンが現れたのでやりたいことリスト100選を成し遂げる。手段も犠牲も問わない〉
弍射 都
Prologue.ラスボスは中二病患者
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001.時代の変革に立ち会って意味深に独り呟く
002.素性を隠して正義側の組織を創設、誰も正体を知らない創設者になる
003.世界を滅ぼしかねない組織のボスになる
004.教室に現れたテロリスト集団相手にイキリ無双(素手で)
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009.ヒーローポジションの師匠になる
010.新月の夜、世界に対する嘆きを漏らす
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019.第三勢力として秘密結社を立ち上げる
020.裏社会に暗殺者として潜り込む
021.「ここを通りたければ俺を倒してからにしな」と立ちはだかる
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045.ラスボスとしてヒーローポジションに立ちはだかる
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099.
100.■■■■■■■■■■
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予定通りお目当ての人物が訪れたのを察知し、やりたいことリストのノートを片手で閉じる。
それを懐に仕舞い、俺は2本の剣を抜いた。
「追い詰めた、Mr.Evil! ここで私が絶対にあなたを倒してみせる――!」
光り輝く剣をこちらに向ける少女はその瞳を鈍く輝かせてそう言った。
俺はそれに応えるように、意味深に呟く。
「――ふむ、何の因果か。……しかし、一人で我に挑むのは蛮勇が過ぎると思わなかったか? 勇者よ」
「無謀と言われようと、愚かと罵られようと、私が、私だけがあなたを倒せるもの。それに……」
彼女はどこか遠い目をしている。
「あなたの目的も分かってる。人類代表として、あなたの試練を乗り越えると示してみせる。勇者としてなんかではなく、一人の人間として!」
「…………ふ、あの吸血姫に唆されたか。余計な真似を――だがそうか。一人の人間として、か」
実に俺好みの言い回しだ。
手放しで褒めたいくらいだが、俺はラスボスだからそれはできない。
ここは戦闘に入る演出も含めて――
「クックックッ、フハハ……ハーッハッハッハ!! 面白い! 実に面白い冗談だ!!」
「ッ……!」
俺の渾身の三段笑いに気圧される少女。
俺はスンと笑うのを止め、外套のフードの奥に真顔を作り、瞳に漆黒の炎を宿して更に威圧した。
「――勇者でもない、ただの人間が我を倒すと? 何の責任も背負わぬ凡人風情が笑わせてくれる。やれるものならやってみるがいい!」
決まった。
〈045.ラスボスとしてヒーローポジションに立ちはだかる〉、完了!
よしよーし、さくさく残りも消化していこうか。
――その過程で、どんな犠牲が出ようが、どれほどの人々の心が壊れようが構わない。
俺は俺の、成すべきことを貫くのみなのだから。
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