第2話 何やの、それ?

「ごめんっ・・・」

アンタの声がアパートの部屋に響いた。


三年前。

アンタと同棲していた頃。


小さいテーブル。

寝室の隣にある小さい部屋。


リビングなんて呼べへん。

みすぼらしいシンクのキッチンがある、そう、台所。


それでも。

その小さな空間が。


ウチらの。

リビング、やったんや。


そやから。

その、ウチらの城で。


アンタが。

解き放った言葉が。


あまりにも。

不条理で。


ワテは。

呟くしかなかった。


「何やの、それ・・・?」


窓から差す西日が。

アンタの影をテーブルに落としていた。


ワテは。

それをボンヤリと。


眺めるしか。

無かったんや。

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