第8話 Yポイントを流行らせようぜ!
とある駅前...
この前送られていたDMの内容が気になり思わず連絡した。
噂のダンジョンに行けるのは会員カードを作らなくてはならず料金は20000円と他のダンジョンに比べて入場料は高いけど20000ポイントが還元してオプションとかアイテムショップで使えるから実質タダとは言うが真意はわからない...とは言え噂のダンジョンにいける事が出来れば、それだけでも御の字だ。
ダンジョンに行きたいが為に住所と電話番号記載してDMを送ると登録が出来たのか指定された場所が記載されていた。
今、まさに駅前にいるのがそういう事になる。
「そろそろ来る頃合いかしら?」
そんな事を呟くと「貴女がミナミさんですか?」と訪ねられた。
後ろを振り向くとそこには黒いスーツを着た男が立っていた。
「はいそうです」
そう答えると男は「ではこちらへ」と言い黒いバンが止まってる所へ案内された。
男はバンのドアを開けた。中を覗くと窓はカーテン等で遮られ外が見えないようにされていた。
「...うわ」
正直乗って大丈夫なのかと思ったがバズる為にはやむを得ないよね!
私は勢いで車に入り胡散臭いダンジョンへ向かった。
__________________
「へいらっしゃい! ㈲Y5のダンジョンへ! ようこそ!」
気がつくと私は洞穴のような見た目に灯りには松明を使われた場所についていた。
見るからにダンジョン入り口の雰囲気を醸し出している。
加えて私を歓迎している仮面を着けた金髪の女の声が何処かで聞いた事ある声だと思ったら動画で出てたスタッフの声だ...隣のうす緑の子は動画に出てないけどスタッフなのかな?
2人とも仮面を着けているが身バレを防ぐ為なのだろう。
「DMをご覧になられているからわかっていると思うけど、カード作成は料金が必要なのですが、ご準備されていますか?」
金髪の子はそう訪ねたから私は財布を取り出しお金を渡した。
「毎度ありがとうございます♪ ではこちらがミナミ様の会員カードになりま~す」
金髪の子はニコニコとしながらカードを渡した。
「今日はもちろんダンジョンに潜ると思うけど、オプションとかどうする?」
もちろん潜るに決まっている! ダンジョン事態に潜るのは初めてだから『蘇生保険』には入った方がいいだろう。
「とりあえず蘇生保険には入ろうかな?」
「かしこまり~♪ あとふと思ったんだけど...そんな装備で大丈夫か?」
そう訪ねられたから私は思わず「一番いいを頼む」と反射的に答えてしまい武器防具貸し出しオプションを着けてしまった。
いや実際に私は何の準備もしてないからちょうど良いのだけどww
「野宿セットとかはいる? 長期滞在とかになると必要と思うけど」
「実はダンジョン事態初めてで、あまり長いするつもり無いんだよね~」
「あ~初めてでソロなら確かに長い滞在は危ないね~ というより初ダンジョンにうちを利用してくれるなんて凄く嬉しいよ♪」
金髪の子は本心で嬉しそうにしていた。何となく悪い気はしない
「そうだ! アイテムって何処で買えますか?」
「一応こちらでご購入できるよ、受け付け兼アイテムショップなので」
金髪の子がそう言うと、うす緑色の子は仮面越しでもわかるぐらいにドヤ顔をした。
どうやらアイテムショップの担当はこの子なのだろう。
「どんなのがあるの?」
そう訪ねると、うす緑の子はボードのような物を出した。
見るとそこには回復ポーションや無毒化ポーション等といったものと値段もといポイントが書かれていた。
「や、安ッ!? 店で売ってるのに比べて1/3ぐらいの値段なんだけど!?」
私はあまりの安さに驚くと仮面の2の口元はニヤリと笑った。
「うちのダンジョンは資源が豊富なのでw」
た、確かに動画ではそこら中に薬草とか生えてるみたいな事を言っていたけど...あ、あれマジなの!?
「あはは、疑う気持ちはわかるよw でも中に入ってみたらわかるからw あ、そうそうDMで書いてた通りだけど採集した素材は帰る際には必ずポイントに交換してね、採取すればするほどお得になるからね♪」
金髪の子はそう言いながら本のような物を渡した。
本を受け取り、中を開いてみると色んな植物やモンスターの種類が載っていて、加えて所々ポイントがかかれていた。
「それじゃあ素敵なダンジョンライフをおくってね♪」
仮面の2人は笑いながら私を見送った。
__________________
ダンジョンに入ると動画で見たまんまの青繁る森林に驚愕した。
「本当に薬草がこんなに...」
動画で見た通りの薬草等の豊富さ...まさか本当にこの樹は世界樹なの?
信じがたい事実に私は戸惑っているが、ふと動画を録ることを思いだし慌てて携帯を取り出し撮影を始めた。
「...皆さんどうもこんにちは!今日は最近話題の___」
__________________
「あの子で最後、まさかあの後5組も予約が入るなんて...初めてにしてはなかなかじゃない?」
ミユはニヤニヤしながらそういうとヤシロは両手で親指を立てた。
「今回来た奴らは自分がバズる事しか考えてない馬鹿ばっかり...あいつらが撮影した動画は更に注目を浴びて信憑性が増して私らのダンジョンに行きたがる奴らが増え、私らはガッポガッポ」
大笑いするミユと色鮮やかな紙吹雪を振り撒くヤシロだった。
「ポイント制にしたのは我ながら天才!名付けて『Yカード』...これからYポイントを流行らせようぜ!」
そんな事をしていると『ファンファン』とサイレンのような音がなりはしゃいでる2人はピタッと止まった。
するとヤシロはノートパソコンを取り出しいじり始めた。
そして何かに気付きヤシロはミユにパソコンの画面を見せた。
「もしかして早速、モンスターで死んじゃった子が現れた感じ?」
画面には見るからに前進を打撲し吐血した女の姿がいた。
どうしてそんな映像が流れているのかと言うと蘇生保険に入った者はドローンにより追跡し、死んでしまったら連絡が入るようにしているからだ。
「にゃんみ様ですか...チャラチャラしてて直ぐ死んじゃいそうだと思ってだけど、めちゃくちゃ早いじゃんw 」
ヤシロは(お前もチャラチャラしてるじゃん)と言いたそうな顔をした。
「一応こいつも蘇生保険に入ってるから、ゆうちゃんに連絡しないと...」
ミユはおもむろにトランシーバーを取り出した。
「...あーしもしも? 1名 死亡 モンスターに食われて消化される前に蘇生よろ~...え、位置?」
ミユはヤシロの方に振り向き「どこら辺?」と訪ねると、既に調べていた位置情報をミユに見せた。
「んー...そこから7時の方向かな...んじゃ任せたよ~」
連絡が終えたミユはトランシーバーを切った。
「携帯で連絡した方が何かと便利なんだけどダンジョン内は電波とか通ってないから不便だよね~」
ミユはため息をつきながらそう言うとヤシロも頷いた。
「まぁ連絡し合えるようにゆうちゃんとゆめっぴに連絡し合える工事と『あの件』に取り込んでもらってるけどw」
ミユはそう言うとヤシロは『ふんすふんす』とやる気に満ち溢れていた。
「いや~w やっさんw あの運送者を手配してくれてまじ助かるw やっさんがいないとこの企業は成り立たんわw」
ヤシロは不適な笑みを浮かべた。
__________________
一方ダンジョン内で作業をしていたユウキとユメは吐血した女の死体の前に立っていた。
その側には大きな猪のモンスター『大猪』の首が切り落とされていた。
ユウキは女の死体を見て「こいつか」と呟き、懐から赤い液体の入ったガラス性の小瓶を取り出し、ふたを開け中の液体を死体にかけた。
「これでしばらくしたら復活するだろう、大猪の死体を回収して元の作業に戻るぞ」
ユウキはそう言うとユメはうなずき大猪を持ち歩き始めた。
「こんなで死んだ人を蘇らせるなんて...『蘇生薬』って凄いね」
「ああ...だが未だにどうして蘇っているのかわからないがな」
ユメは目を見開いて「そうなんだ」と驚いた。
「不思議なんだね...まるで『魔法』みたい」
「魔法...か、実際ダンジョンの出現は物理とか倫理とか無視しているからあり得るな...」
2人はそんな話しをしながらもといた場所へ向かった。
__________________
一方その頃、ヨウコは自室がダンジョンの出入口になったため隣の部屋に移動して窓際でぽけーと外を眺めていた。
部屋は狭いがこうやってのんびりできるから不便では無いから良いのだけど...
ヨウコは寝転がりあぐらをかいた。
他のみんなが仕事をしていると言うのにどうして私だけぐーたらしているのかと言うと...
『よっちゃんは撮影とかじっk...まぁ色々としてもらってる今日ぐらい休みなよw よっちゃんそっちで活躍してもらうんだから!』
と言われた。
今思えばあの時『実験』て言いかけてなかった? というか私...要らない子扱いされてね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます