恐竜の子守歌
ハメリュ
第1話
骨折をした。
この人生初めて、お風呂の石けんが床に残っていて、扉を掴もうとしたが間に合わず。
どこも打たないように、左手だけで身体全体を支えた。
あっという間の出来事の中で、色々な事を頭で考えた。
骨折した後も、そんなには痛くなかったので片手でで服を着ながら、この時間どこの病院がやっているだろうなどを考えていた。
痛みより、金銭的な不安しかなかった。
歩いていける、近くの病院に行くことにした。
緊急の入り口があったはずだ。
とりあえず、いつものカバンを持つが左手首はぶらんとなっているので、歩くのはゆっくりになった。
自分でも、湿布すれば治る程度の捻挫かなとも思っていたから、歩いて20分くらいの病院に向かった。
入り口のインターフォンを押し、転んで手をついた痛みがあることを告げた。
「今日は、宿直が整形担当ではないので受付できません。」との事だった。
「どこか、他の病院を教えてください」というと、やっと出てきた、ちょっと小太りの看護師は、3cmくらいの紙に何か書いてある紙を渡してきた。
「ここに電話してください」
渡され私は、片手しか使えないので、そこの入り口の近くの道端で、バックを道に置き、携帯で電話をかけた。
緊急なんとかと書いてあって、そこに電話したら、近くでやっている、病院の名前と電話番号を5件教えてくれる。
私は道端でボールペンでレシートの切れ端にメモを取った。
近くの男性が見かねて、途中からの手伝ってくれた。
その男性が、そこから1番近い病院に電話してくれて、やっと受け付けてくれることになったが、救急車で来てくれとのことで、それから199に電話をかけてくれて、その男性は救急車に乗るまで、お世話になりとても助かった。
いつも、人間は1人で生きていかなくてはとこれまでの、人生で思い知らされてはいたので、とてもありがたかった。
救急車は、電話をしてからもその日は要請が重なっていたようで、20分くらいでさっき尋ねた病院の入り口まで来てくれた。
手首だけの骨折だし、歩いて救急車に乗り込んだ。ベットに横になり、病院に確認をして、まもなく救急車はサイレンを鳴らし。
マイクで「右に曲がります…」と急いでこんな私を病院まで猛スピードで乗せてくれました。
もちろん救急車に乗ったのは初めてだったので、もっと色々見たり、聞いたりしたかったなと後で思いましたが、だいぶ腕は腫れていたので、少し心配はありました。
歩いて病院に入り、直ぐにレントゲンを撮るという事で椅子で少し待つ事になりました。
夜中だというのに、普通の昼間の病院の様に、患者さんは椅子に何名か座っています。
レントゲン待ちの人も何名かいて、少し待たされました。
椅子に座ってジッとしていると、左手首は少し痛みが増してきて、ジワジワからジンジンに変わってきました。
レントゲンを一枚撮っただけで、骨折と分かり、手術をした方が良いと言われました。
とりあえず、暖かくなると固まる仮ギブスの様な物を包帯で巻かれ、次の日昼間きてくださいだのことで、痛み止めをもらい帰されました。
息子の手首骨折の時の支えは、水で濡らして固まるものだったな、なんて思い出しながら、タクシーで家の近くの場所を告げると2分もせずに着きましたと言われた事に驚き。
「こんなに近かったんですね、ごめんなさい」とタクシーの運転手にあやまり、少し頭がぼーっとしていたのかなと思いましたが、確かに救急車には、長い時間乗っていた様な感覚があって。
人は、怪我や病気をすると多少なりとも、ぼーっとしたり、記憶を忘れるのかなとも考えました。
とにかく、家に着き疲れた身体を布団に横たわり、手をどうにか伸ばして置く場所をタオルで調整して、直ぐに深い眠りに就きました。
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