第22話 迷い
朝、会社に着いて、PCを起動すると同時に電話。
「電源を入れたらブルーの画面にですか? データが取り出せるかは見てみないとはっきりしたことはわかりませんが……交換に伺います」
電話を切って、誰かにPCの交換をお願いしようと席を立ちかけて、背後にいた上椙さんに気がついた。
「いつからいたんですか?」
「週末、日本酒の美味しいお店があるので、そこに行きましょう」
「え?」
「何で驚くんですか?」
「いきなりだったから」
「そう? そのPCの回収、僕が行ってきますよ。どこの部署ですか?」
「経理部です。殿村さんっていう方」
「わかりました。後は調べます」
「お願いします」
上椙さんは穏やかに話す。
話していると心地いい。
だから、近づくのが怖い。
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