第6話

「藍佐、そりゃオマエ完全にカモにされてるんだよ」

クラスメートの佐田宏が授業中に

またまた後ろの席からチャチャを

入れてきた。

「そっ、そんなことないわ」

わたしは思わず思い切り勢いよく

立ち上がってしまったの。

「どうした、岬?小便か」

担任の矢崎が意地悪そうな顔をして

そういった。

「ちっ、ちがいます」

わたしはストンと席に座った。

顔が熱い。恐らく真っ赤だ。

「今塚さんはそんな人じゃないわ」

「オマエ、バージンだからわからないんだよ」

「何の関係があるのよ」

「男性遍歴がまったくないから、騙されやすいんだよ」

佐田にそう言われて私はグウの音も出なかった。

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