第2話

「藍佐、いつまでアンタバージン

でいる気」

親友の甲斐かほりはわたしの

バージン仲間だ。

 当人はとうの昔にバージンなど捨てたわいなどと

抜かしているが、おまえはじゃあ何歳で

捨てたんだと問い返したい。

 たぶん答えられないはずだ。

「ひょっとすると、おばあちゃんになるまで、かな」

わたしはなかば冗談、なかば本気でそういった。

「ゲッ、勘弁してよ、気持ちの悪い」

オマエもわたしと同じ運命をたどるにちがいない、

といいたいところをグッとこらえて、わたしは、

「かほりにはもうすぐいい人があらわれるわよ」

などというおためごかしをぶつけるのだった。

「おたがい、がんばろうね、かほり」

わたしは心の中でアカンべーと舌を出しながら

両手でしっかとかほりの両手を

力強く握り締めたの。

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