(二)-8
エレベーターで十一階まで上がり、部屋の前まで来ると、管理人さんはドアの鍵を開け、少しドアを引っ張ってドアが開くことを確認すると、「終わったら、管理人室に寄って下さい」と言い残して一階へと戻っていった。その際、ドアの隙間から大きなハエが二匹、飛び出していった。
それは大きいハエだった。普通の二倍くらいあるような、大バエだ。普段日常生活ではお目にかかれないようなサイズだった。しかも、その二匹は互いに交互にすれ違いながら、三人の頭の上を何回か弧を描いてウロウロしてから、どこかへ飛び立って行ってしまった。
こうして有井たちは、いよいよ本来の仕事に取りかかることができるところまでようやくたどり着いた。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます