(一)-3
ハンドルを握りながら藤並が答えた。
「客の立ち会いがないので気楽ではあるけど、1LDKの部屋では手際よく作業しないと時間食うからな。有井が来てくれて助かるよ」
「立ち会いなしなのか」
続けた藤並に松阪が聞き返す。そして「普通、貴重品なんかもあるから立ち会いをこっちからお願いはするのに」と加えた。
「ま、とりあえず、現場にいけばわかるさ」
藤並の言葉に、松阪は「そうだな」と応えた。有井も同感だった。
三人を乗せた引越屋のトラックは、明治通りへ入る交差点を抜けて、地下鉄南北線の駅の地上出口をたどるように南下していった。
(続く)
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