序章
プロローグ
2024年X月X日。
「あれ? 何?」
「仏像が、浮いてる……?」
東京都渋谷スクランブルの交差点はいつも人々が行きかっているが、その日だけは違った。誰もが交差点の上に立ち止まり、それを見上げている。
突如現れたそれ――仏像が浮いていた。
地上から358メートル、その仏像はしばらく宙に浮いていた。
たちまち、宙に浮いたその仏像のことはニュースになり、その仏像の様子はずっと中継されていた。
専門家たちがその仏像の形式から阿弥陀如来であることを明らかにしたが、宙に浮いている理由については、答えが出ないままずっと議論が続けられていた。
日本中の誰もがその仏像の動向に注目していた。
仏像が宙に浮いてから35時間38分52秒間。
その直後のことだった。
一瞬にして渋谷スクランブルの交差点が火の海となった。
ほんの一瞬だったため、その場にいた人々は何が起きたか理解する前に炎に飲み込まれた。その炎は渋谷スクランブルをはじめ、東京、東京郊外を火の海にした。
その当時の記録によれば以下の通りである。
被害総額は28兆2739億1872万9368円。
死者数 3418万5781人
そしてその日から、日本や世界が地獄へと化した。世界各国に現われた宙に浮く仏像によって、世界の人口が著しく減少した。
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