第2話 憧れの先輩とのデート
翌日、加奈子はショッピングモールに到着した。
待ち合わせ場所に行くとそこには会社の先輩の京子がすでに待っていた。
「おはようございます。ごめんなさい待ちました?」
「おはよう加奈ちゃん。全然待ってないよ。それより…大丈夫?体調悪い?」
昨日のこともあって加奈子は寝不足で目の下に小さなクマができていた。
それを京子は目ざとく気づき心配してきたのだ。
「全然大丈夫です!京子さんとのお買い物が楽しみでちょっと寝付けなくって…でもちゃんと元気ですよ!早速行きましょう!」
「ほんと?体調が悪くなったらすぐに言うんだよ?でもありがと…楽しみにしてくれてたんだね」
(ごめんなさい京様!確かに楽しみだったけど寝付けなかったのは違くって…心配させないようにしないと!)
二人は早速買い物を楽しむことにした。
京子は加奈子の同じ部署の2つ上の先輩で教育担当だったこともあり、加奈子はかなり慕っていた。
優しく穏やかでスタイルもよく、たまに見せる可愛い態度や、髪の毛の毛量が多く結構汗っかきなところ、匂いも大好きで加奈子の好みのドストライクの女性だった。
心の中では"様"づけで呼んでいてコヨリとは違ったリアルの推しである。
ただ加奈子のように同性愛者とは限らないので、加奈子はその気を悟られない様に振る舞っている。
しかし京子は加奈子に対して距離感がかなり近いことがある。
加奈子にとっては喜ばしいことなのだがそれに悩まされることもしばしばあった。
「加奈ちゃんこれ似合うと思うな~どうかな?」
「え!あっ…そ、そうですね!」
今も服選びで京子に不意にくっつかれて加奈子は顔を少し赤くしている。
近づいてきた時に香る京子の匂いが加奈子の鼻腔をくすぐる。
(ちかい!今日もいい匂い…じゃなくって!普通に接しないと。変な子だって思われちゃうよ)
加奈子の気を知ってか知らずか度々ひっ付いてきて服選びを楽しむ京子。
洋服をいくつか手に持って試着室に向かおうとしている。
(あれ買う予定なのかな?なんかいつもの京様の服の感じと違う気がする。ちょっと攻めてるっていうか…)
「それ買うんですか?」
「え?うん!流行ってる…みたいだしね?」
「絶対似合うと思いますよ!京子さんスタイルいいし!」
「えへへ…じゃあ試着してくるね」
このやりとりに加奈子は妙な違和感を感じていた。
自分で服を選んだはずの京子自身が恥ずかしがっているというか…
それから数分後。
京子が試着室に入ってからしばらく経つ。
加奈子は試着室の前で餌を待つ犬のように少し興奮気味だった。
なんだかんだでいつもと違う感じの京子を見たいのだ。
試着室のカーテンが開く。
その瞬間に加奈子のテンションは爆上がりした。
いつもよりも全然短くお尻の曲線が丸わかりなタイトなスカート、胸が強調されたキャミソール、ゆるふわな萌え袖カーディガン…いつも履いている黒タイツは変わらないのだがそれが逆に京子のエロさを強調しているように見えてしまう。
「どうかな…似合ってる?」
京子は顔を赤くし、もじもじと恥ずかしがっている。
そんな京子の態度にも加奈子は興奮させられた。
(うわ!エッチすぎるよ!可愛い!しかも自分で着たのに恥ずかしがってるのも可愛い!)
加奈子は無意識に携帯を構えてしまう。
なんとかして今の京子の姿を残しておきたい!
「京さ…京子さん!凄く似合ってます!可愛いです!写真撮っていいですか!?」
思わず声が大きくなってしまう加奈子。
そんな興奮気味な加奈子に京子は口元に指をあててシー!のポーズを取った。
京子は顔を真っ赤にし、自然と声もヒソヒソ声になる。
「か、加奈ちゃん。声が大きいよ。抑えて抑えて…」
「あっ、ごめんなさい!静かにします…写真撮っていいですか?」
「う~ん…でも」
「お願いします。うるさくしませんから」
何を言っても聞かなそうな雰囲気を察し、京子は渋々写真撮影を許可した。
本当は店内で試着姿を撮影するなどはマナー違反なのだが…
相変わらずモジモジしながら写真を撮られる京子。
短めのスカートの後ろを手で隠したり、腕で大きめの胸を隠したり…そんな京子を見て加奈子の胸のドキドキは一向に収まらない。
しかも京子はわかりやすく額に汗をかいていて、それが加奈子の欲情を煽る。
京子に内緒で実は動画も撮ったりしていた。
(うぅぅぅ!たまらない!もう汗かいてきちゃってる!やっぱり恥ずかしいのかな?可愛いよ京様!)
そんな撮影に夢中な加奈子に反して、京子は店員さんに撮影がバレていないか店内をチラチラと見まわしていた。
「加奈ちゃん、もう終わりにしよ?さすがにこれ以上は…ね?」
「あっ!ごめんなさい…つい夢中になっちゃって」
ついに京子から指で×を作られNGが出てしまい、試着室のカーテンが閉められた。
加奈子も我に返り、改めて考えるとお店に迷惑がかかっていたのを反省した。
が、顔はニッコリと満面の笑みを浮かべていた。
(いっぱい撮っちゃった。いつもと違う京様の…ふふふ♪これは宝だ!)
京子はお店に迷惑をかけてしまったと感じ、バツが悪く試着した服と他にも幾つかの服を買った。
加奈子も京子に勧められた服を幾つか買い、二人はお店を出た。
その後二人は何店かでお買い物や食事を楽しんだ。
今日はすこし気温が高かったこともあり、汗っかきの京子は上着を脱いでハンカチで額や首筋をよく拭いていた。
そんな様子を加奈子は横目でチラチラ見ながら漂ってくる京子の汗の匂いを感じていた。
(今日暑いもんね。いっぱい汗かいちゃってる…撮りたい!でもあからさま過ぎちゃうよね。我慢我慢…)
加奈子は今日という日をかなり堪能できた。
帰りの駅まで一緒に歩く。
そして京子は加奈子にお店でのことについて注意した。
「加奈ちゃん、あれはダメだよ?わたしも承諾しちゃったのがいけないんだけどね」
「は~い、ごめんなさい。でも可愛かったですよ?あとであの服着たところ見せてくださいね!」
「う~ん、やっぱりちょっと私には合わないかも…」
京子はまた顔を赤くし、煮え切らない態度を取っていた。
加奈子はそんな京子の反応を見て、あのエッチな姿を見れないと残念がる反面、なぜ着る予定のないものを京子が買ってしまったのか疑問に思っていた。
その後二人は駅で別れ、加奈子は自分のアパートに帰る。
そしてちゃっちゃとお風呂に入り、京子とのデート()に思いをはせていた。
携帯で撮った京子の写真に目を通す…あの時の興奮が呼び覚まされていく。
(すごい可愛かったなぁ…いつもはゆったり目の服を好んでるから今日のはヤバかったよ。犯罪的なエロ可愛いさ。ふふふ♪恥ずかしがっててすごく可愛い!)
もじもじする京子の動画を見ながら余韻に浸る加奈子。
今晩は着ぐるみコスプレイヤーコヨリの配信が無いこともあって、加奈子は布団の中でも携帯を手放さず、京子の写真を見てニヤニヤしながらその日を過ごした。
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