第4話 和室に引きこもる母と天岩戸

「最近娘さんとどう?」

「すれ違い中で話してない。またうつ病じゃないといいけど。とりあえず壁のいたずら書きは消せなくて。なんで私がこすってるのかしら」

「……。あの、そういえば最近Netflix見てる?」

「見てない。娘に関係あるものは避けてる」

「……」

「娘さんさあ、第一志望の高校諦めて第二志望の高校、昔、受けたって言ったよね?」

「当たり前だったなー、あの頃は。だって私立なんて絶対行かせられないもの」

「……。ところで、最近和室で過ごすのどう?」

「? 和室は2回しか使ってないわよ、だって長女のせいで私が好きでもない部屋にこもるの納得いかないじゃない」


同僚はこめかみを指で押さえ出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る