宙戦を描く

桜最中

入隊

ある日事件が起こった助けを求める声、慌てふためく人間、逆に落ち着いたように慣れた飛行機

繰り返すごとに廃れていく文明の数々、同時に起こる地殻変動など世は混沌と化していった。全世界に広がった変動は各国によって抑えられていく。上記飛行機は確認できる全てを撃墜し、地上戦へとなった。これからの物語は上記事件が起きた後数十年たったあと。各国ではなく世界に広がる一つの組織に加入した一人の周りで起こる物語である。

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「君たち組織への入隊おめでとう。この組織は軍事的なものだが、各国の戦争、軍事侵略には参加しないことを条件に運営されている。それだけは覚えていてくれ。」

「それからこれから半年間は君たちを合格を判断した隊長のいる部隊に入ってもらう。発表はもうしてあるからあとで掲示板を見に行くように。」

「特殊部隊に入っている奴は部隊名の横に二重丸、工作部隊は丸がついているから、あとで支部来るようにしてくれ。以上今日のところは解散」

僕の入った組織は安定した収入が保障されているから入りたい人が多い。組織の形態はよくわからないが、簡単に言えば異世界の冒険者的なスタイルだと思う。一部隊で動き、端末に来る依頼をレベル【1~100】に区切って自分の部隊にあったレベルと距離の依頼を受ける。

「ここが支部だ。特殊部隊はこれから車に乗って全ての国の真ん中の総本部に行ってもらう。大体2時間もあれば着くから大丈夫さ。」

車の中では同じ部隊に選ばれた人がいなかったため、席割では一番気まずい臨時教官の横だ。特に話すこともないし2時間で何をしろって言うんだ。

「君の選ばれた部隊は君を入れた15人でこの組織の25%の戦力を保有する部隊だ。まあ君の戦力を知らないからもっと増えてるかもしれないし減ってるかもしれないがね。」

「そうなんですか。」

知らなかった。いや知る必要もないと思っていた。自分は弱いし、試験もまぐれで入れたのだから。

「僕は弱いです。まだ戦いも知らない一般人なんですから。」

「そうか、ならお前の何かに惹かれて選んだんだろうな。あの人数足りねえのに最近まで増やさなかった頑固な隊長が人数足りてるのに入れる人材だもんな。」

驚いた。そんな人になぜ選ばれたのか分からなかった。

しばらくたって

「まあそろそろ着くからこれからがんばれよ。」

もう一度驚いたもうそんなに時間が経っていたのかと。

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「ようこそわが部隊に。基本的に隊員はここ住まいだが、毎週帰省する時間くらいはあるぞ。」

これのどこが頑固なんだろうか。

「それじゃあ、テストをしようと思う。この部隊の一員を担える人材かどうか。まあ内容は簡単だ、安心してくれ。レベル1から少しずつレベルを上げて倒せなくなるのがどこか見るだけだ。もちろん現実とは言わない。仮想空間内でやってもらう。」

逃げ出したかった。何もできるはずがない。

「じゃあレベル1だ。武器は入隊時の希望のが出てくるからな。途中で変えたくなったらイメージすれば出てくることもある。」

オーソドックスな刀が出てきた。

テストの結果はレベル4までだった。

「ああ大体わかった。ようこそうちの隊へ。」

まったくわからなかった。普通の隊員でも倒せる、なんなら何もしたことがない一般人でも同じ装備があれば倒せるレベルまでしかいってないからだ。

「本当にいいんですか。こんなに弱いレベルまでしか行けなかったのに。」

「ああ、今見て分かったことが何個かある。とりあえず君はいずれレベル100を倒せるかもしれないということが。」

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「本当によかったんですか。かなり初期の方ですよ。」

「ああ。俺も初めはレベル8が倒せなかったからな。それが今は複数部隊が協力してやっと倒せる99を倒せるようになっているんだ。俺が見ていたのは彼の成長性だ。いくら最初強くてもそこで止まったらそれは本当に強い人材なのか、最初はどんなに弱くても最終的に強くなれば何も問題ないってわけよ。」

「そうなんですか。確かに彼の剣術には目を見張るものがありましたね。」

「ああ。彼の太刀筋の迷いとそれからくる繊細過ぎる流派を使っていることが彼の今の弱みだ。もっと大胆になってもいいと思うんだがな。」

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なぜか今日は朝早くから会議室に呼ばれた。

「今日やることを発表する。新人君、これから毎週月曜日はこんな風にミーティングから始まるんだが、これは一応本部にやれって言われてやっていることだから相当急ぎの用がなければ本格的な呼び出しはないぞ。ただ君にはこれから3週間はやることがびっしり詰まっているからそこだけは来るように。」

「それでは一つ目武器のデザインや種類を完全に決定するために昨日テストで使った仮想空間にもう一度入ってもらう。あとそれに加えて全員特殊な武器だから全員見本として見せるように。二つ目、来週は大きな依頼はないから全新人の強化週間となる。俺たちは部隊総合1位としてその場に行かなければならないそれの準備をするように。以上いったん解散。」

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