なんでもするから
「嫌です。逢花の話、まだ全部聞いてないから」
「私の話?まぁ、そっか。そういうものか」
「そう。具体的な話を聞かせて」
「分かったよ。それじゃあ」
私は、なぜ演劇をやってみようかと思ったかという話から両親について、親類について。普段の生活なんかを話した。
「そういえば桜良、桜良こそご両親に連絡しなくていいの?」
「いいのです。だって私は1人暮らしだから」
「えっ?」
「三者面談とか書類書いてもらう時以外、基本帰ってこなくて」
「なるほど……」
あちこち飛び回るお仕事をされているのか。桜良もある意味孤独に毎日過ごしているんだな。
「何か勘違いしてない?」
「えっと……?」
「両親は私に興味なくってさ、放置されてるんだ。」
「それは……」
ひどい。ひどいけど軽々しく言葉にするのは難しい。
「だから、逢花と暮らせたら楽しいんだろうな〜なんてここ来てから考えたりしちゃってさ」
「……」
「ねぇ逢花、やっぱり私をあなたの半身にしてほしいな。
なんでもするからさ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます