私がゾンビになって、いつか人を喰らう日が。

こゆき

第1話 ゾンビ・パンデミック

 ゾンビが国中を襲った。

 年末、東京から始まったこの現象は瞬く間に私が住む街にも訪れていた。

私の両親も仕事帰りにゾンビに喰われ、帰ってきていない。学校も安全が確保できないと理由で登校禁止になった。

だから、基本的には友達と携帯でやり取りするかゲームをして、朝昼晩はスーパーで買ってきた食事を食べて過ごす。

家のニュースを付けると、ゾンビ特集が今日も行われている。


 ゾンビになったあと、生きてる(この表現が正しいのかは分からないが)のは子供の方が多いようだ。現在調査中とのことで、何故かは分かっていない。

今日は、ゾンビが家に入ってきた場合の対処法についての特集だ。

ゾンビが家に入ってきた場合は、音を立てないようにしなければならない、主に聴覚に優れているため、気づかれてしまうと。

そして、夜行性。ゾンビの生態は22時から6時にかけての移動が多く、光に弱い。

私の家にも一度来ているが、家の電気をつけて、前回は上手くやりすごした。


 ここで私について話しておこうと思う。私は聖那せな、高校1年生。ちょっとぽっちゃりしてる所を除けばどこにでもいる女の子だと思う。いつもおしりやほっぺをぷにぷにされているが、虐められている訳ではない。他に特徴というと、なんだろう。ツインテールにしてるところくらいかな。

ニュースを見ていると、22時になろうとしていた。そうだ、光に弱いなら懐中電灯を用意しておこう。私は押し入れに入り、ガサゴソと探し始めた。

その瞬間、家の灯りが消えた。


「なんで!」


私は慌てる。

家の窓は閉じているはずなのに、侵入された。

急いで押し入れに隠れる。

音が立たないようにそろりそろりと戸を占める。あとは息を潜めて上手くやり過ごすだけ。

そのはずだった。

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