バトルサモン〜カードゲームアニメの世界に転生しましたが、自分だけのオリジナルカードのおかげで何とかなりそうです〜
@marumarumarumori
ライフ0からの始まり
トレーディングカードゲーム。
通称、TCG。
それは、定められたルールの下でカードを使って戦う遊びで、男子小学生なら誰しもが遊び、誰しもがカードを集めたものだ。
かくいう俺も、そのTCGにハマった一人なのはいうまでもない。
んで、そんな俺が一番ハマっていたのは......【バトルサモン】というカードゲームだ。
【バトルサモン】とは、【バトサモ】の愛称で知られているカードゲームなのだが、【バトサモ】の場合、その人気がヤバすぎるあまり、一時期カードショップから在庫がなくなることがしばしばあった。
更に、その【バトサモ】がアニメ化されたことによって、人気に火が付いたのは、言うまでもない。
俺の場合、【バトサモ】が大好きすぎるあまり、よく夜更かししてまで、デッキ構成を考えていたり、大会にも出ていた。
多分、それなりに楽しい日々だったと思う。
......何でこんな話をしているのかって?
そりゃあ....何もない空間にいる上に、目の前には【バトサモ】の最強モンスターの一体である、【究極星命体】ステラ・デウスがいるのだから。
『初めまして......ではないね。僕は【究極星命体】ステラ・デウス。君達の世界で言うところのカードパック....【宇宙からの来訪者】に収録されているモンスターだよ』
敵ではないから安心して欲しい的な感じの声で、そう言うステラ・デウス。
.....アニメで見た時もヤバかったけど、リアルで見た時の興奮度がマジでヤバいわ。
「.....まさか、生でモンスターに会えるとは思わなかったな」
興奮気味な声で、そう言う俺。
一方、その言葉を聞いたステラ・デウスはというと
『まぁ。君は僕をゲットするために、色々とお金を使っていたもんね』
嬉しそうな様子で、そう言った。
「結局、ゲットできなかったけど.......それでも、アニメ本編でヌルヌル動くステラ・デウスを見た時はめっちゃ嬉しかったんだよな」
『本当!!それならよかった』
俺の言葉に対し、喜びながらそう言うステラ・デウス。
「ところで......俺の目の前にステラ・デウスがいるってことは、俺は死んだのか?」
ステラ・デウスに対し、俺がそう言うと
『うん、そうだよ。君は死んだ。そして、僕は君の夢を叶えようと思ってるんだ』
......え?
「夢......?」
俺、TCG関連の夢があったっけ?
と、そんなのことを思っていたら、ステラ・デウスは俺に向けて、こんなことを言った。
『昔、君は【バトサモ】の世界で暮らしたいって言ってたよね。だから、その夢を叶えようと思ってるんだ』
.......は?
「それって.....異世界転生ってことか!?」
『うん、そうだよ』
それがどうかしたの?と言わんばかりに、そう言うステラ・デウス。
『君は、【バトサモ】を愛してくれた。それだけでも、転生させるのには十分な理由だと思うよ?』
そう言った後、俺に対し、とある映像を見せるステラ・デウス。
その映像には、【バトサモ】に勤しむ俺の姿が映っており
『僕はね、【バトサモ】を純粋に愛してくれている君が好きなんだ。だから、全モンスターの代わりに言わせてもらうね。僕らを好きでいてくれてありがとう』
「っ!!」
.......あぁ、そうか。
ステラ・デウスは.....いや、カードのモンスター達は、ちゃんと生きている。
アニメの名言で言うところの、〈カードが人を導く〉ってやつなのかもしれない。
でも.....実際にそんなことを言われると、何か嬉しいな。
『あ、そうそう。ちなみに転生先はアニメ版の世界だよ』
「マジか」
それはそれで嬉しいな。
そう思っていた時、どこからか、光がステラ・デウスの周辺に集まった......かと思えば、それはカードになってステラ・デウスの手元に集まり、あっという間にデッキになった。
『これ、あげるね』
そう言った後、そのデッキを俺に手渡すステラ・デウス。
そして、そのデッキを確認してみると...
「これは!?」
そのデッキは.....かつて、俺が考えたオリジナルカードで構成されていた。
『君、オリジナルのカードを考えるのが好きだったよね?だから、転生させるついでに具現化させてみたんだ!!』
凄いでしょ!!という雰囲気を出しながら、そう言うステラ・デウス。
その言葉に対し、俺はというと
「ありがとう.....本当にありがとう...........」
嬉しさのあまり、泣いていた。
だって、自分が考えたカードが具現化したんだぜ?
泣かずにはいられないよ。
『嬉しいの?それとも悲しいの?』
「前者.....かな?」
『そっかぁ!!』
嬉しそうな様子で、そう言うステラ・デウス。
『それじゃあ、今から転生させるけど.....大丈夫?』
「あぁ。ここまでされたのなら、その世界を堪能しないとな」
そう言った後、ニッと笑う俺。
そして、ステラ・デウスは準備が出来たのか
『いくよ〜!!』
と言うと、俺は光に包まれるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます