第3話 まだいいかな

――――――「稜太。」

「うん?」

「ねぇ今度、どっか遠出しない?」

「いいけど、どこ行きたい?」

「うーん、どこにしよーかな。」


翔が僕に抱きつきながら考えてる。


「泊まりに行く?俺はそれでもいいけど。」

「うん。僕もそれでいいよ?」


「……しないぞ。絶対。」

「…しないよ?絶対。」


僕が言った後に翔が額と額をくっつけて真似する。


「……」

「なに?物欲しそうな目して。」

「別に。なんもいらねー。」

「あー、素直じゃないんだ。じゃあしてあげない。」


僕は翔の頭を捕まえて強引にキスしようとすると翔が僕の口を手で塞いだ。


「おっと!その手には乗らないぞ?」

「あーくそっ!」

「……そういうの可愛い。」


そう囁いて翔は邪魔な手を降ろしてキスしてくれた。



でも僕らはしばらくの間ここで終わっていた。

結局泊まりの話はなくなって、ご飯行って僕の家に泊まった。でもキスまで。お互いの体に…って言いたいが、翔が僕に意地悪に触れて、僕が服の中で暴発して終わり。


その姿と声を聞いて翔が小悪魔のように笑う。


お互いこの時は繋がることまで必要としてなかった。



でも翔は可愛いのにかっこよかった。

言わないけど、僕はそんなふと見せるギャップにも内心悶えていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る