370 翌朝朝食の支度をする

目を覚ますと、外はまだ薄暗い。リッカたちの寝息が部屋の隅から聞こえてくる。静かで、穏やかな朝の時間だ。


「ん……おはよう。」

と軽くつぶやきながら、ベッドから起き上がる。

窓の外はまだ夜の残りを引きずり、遠くからは鳥のさえずりが聞こえてくる。昨日の疲れもすっかり取れ、体が軽い。


ベッドメイキングを済ませ、着替えを済ませた後、キッチンに向かう。

部屋の扉を開けると、冷え込んだ空気がふわりと肌を撫でる。キッチンには、夜のうちに片付けた後の食器がまだそのままになっている。


「さて、朝ごはんはどうしようか……」

冷蔵庫を開けると、野菜や卵、そして少しだけ残ったパンが目に入る。

考えた末、シンプルなオムレツを作ることに決めた。


フライパンを火にかけ、オリーブオイルを少し垂らして温める。

その間に卵を溶き、軽く塩胡椒を振りかけて混ぜ合わせる。野菜も刻んで準備する。


「リッカたちは起きてくるかな……」

ぼんやりとそんなことを考えながら、卵液をフライパンに流し込む。

ぷつぷつと泡が立ち始め、ほどなくしてオムレツの香ばしい匂いがキッチンに広がる。


「おはよう、エリクス。」

キッチンに入ってきたエリクスが、まだ半分眠そうな顔でぼんやりと俺を見つめる。


「おはよう、兄貴。今日も早いね。」

「早くない。エリクスがちょっと遅いだけだ。」


そんな軽い会話を交わしながら、エリクスも手伝い始める。

野菜を切り、サラダを準備し始めた。リッカもそろそろ起きてくるだろう。チャリオットも起きてくるのを待つ間、キッチンの作業を続ける。


「朝ごはん、何にする?」

リッカが寝ぼけ眼でキッチンに現れる。まだ眠気が残っている様子で、髪の毛が少し乱れている。


「エリクスがサラダを作ってくれてるみたいだな。」

俺が笑いながら言うと、リッカも笑顔を浮かべた。


「じゃあ、私はトーストを焼いてみようかな。」

リッカが冷蔵庫からパンを取り出し、トースターに入れる。ふわっと香ばしいパンの香りが漂う。


チャリオットも起きてきて、みんなで朝ごはんの準備を手伝う。

エリクスが作ったサラダと、俺の作ったオムレツをテーブルに並べ、簡単な朝食が完成する。


そうしてるとリビングダイニングに家族が揃う。

皆が席に着き俺は


「さあ、みんなでいただきます!」

「いただきます!」


暖かな朝の光が差し込むキッチンで、気持ちの良いひとときが流れた。異世界にいるとは思えないほど、穏やかで普通の日常がここには広がっている。




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