World end project 〜なぜポテチにこだわり続けるかという問いかけへの回答〜
テレシー
魔王討伐編
序章 世間知らずのおつかい
「起きなされ…」
暗闇の中で老人がそう言う。
「起きなされ……」
次は先ほどより大きな声で言った。
「とっとと起きんかい!」
怒ったかのような大きな声で叫んだ。
起きると洋風な部屋が目の前に見える。
僕の部屋だ、横を見るとおじいちゃんが
「もう朝じゃ。」
と言いながらリビングへ行ってしまった。
僕の名前は、
だが一つだけ僕は誰にも負けない自信があるものがある。それはポテチだ。
僕は、一週間に10袋くらいはポテチを食べている。しかしご飯で満腹になったこと一度もない。だから僕はこれからもポテチを食べて、守っていきたいと思う。
―――でもこの頃、僕は簡単にポテチのことを守れるとこの時は思っていた。
いつも通り、自分の髪を整えてから、服を着てリビングへ向かった。この服は、おじいちゃん曰く、
『ただの厨二病じゃ』
と言っている。まぁ僕はよくわからないけど。
リビングへ向かうと朝ごはんがテーブルの上に並べてあったので食べているとおじいちゃんが、
「のう照馬。」
と話しかけてきた、いつも通りのおじいちゃんの自慢話だと思っていたのに、まさかこんなことを言うとは思わなかった。
「おつかいに行ってきてほしい。」
と言ったのだ。
だから、
「おじいちゃんが行きなよ。」
と言う前に
「照馬、お前が行け。」
と言われた。
「隣町へパンを買ってきてほしい。」
おつかい、それは遠回しに外に出ろと言うこと、それに外には沢山の魔物がいるらしい、まぁ、おじいちゃんは魔物を滅多撃ちにして帰ってくるけど。
「そのためにお前に戦闘の仕方を教えてたい。」
「へ?銭湯?」
「戦闘じゃ!戦闘!」
おじいちゃんがいつも週末に銭湯に行こう銭湯に行こうってうるさいからそっちの銭湯だと思っちゃった。
「とりあえずそのために外に出なされ、わしが教えてやる。」
外に出るとおじいちゃんが木刀を持って待っていた。そして僕に、
「これを使え。」
と木刀を渡してきた。
「まぁここら辺の魔物は弱いから大体木刀で倒せるぞい。さぁ始めるぞい。」
僕とおじいちゃんの稽古が始めった。
「まず、この木刀でこの人形を叩くのじゃ。」
と言いながら、おじいちゃんは人型の人形を僕の立っている場所から数メートル離れたところに置いた。
「自分の思うようにたたいてみろ。」
言われた通り、思いっきり振りかぶった。すると、人形は何事もなかったかのように傷一つなかった。
「何!?」
「ちゃんとした使い方をしないと壊れないようにしておる。」
さっきは何かが違ったのかもしれない。次こそ必ず壊してやる!
再び僕は人形に今までの力を込めて叩いた。しかし、何も起こらなかった。
「上から思いっきり振りかぶるんじゃ。」
「分かった。」
しかし、人形は壊れなかった。
「もっと力を込めて。」
「こうか?」
まだ人形は壊れることはなかった。
―それから約10分後やっと人形を壊すことができた。
「やったー!」
「よくやった。次はわしとの実践じゃ。」
実践!これは勝てる気がする!人形を壊した僕に勝てるやつはいない!
おじいちゃんは木刀を取り出した。そして僕は調子に乗って、
「おじいちゃん、本気で来い…」
と挑発してみた。
「いいのか?思いっきりやっちゃって?」
「なんだ?怖いのか?」
なんとなく言ってみた。すると、おじいちゃんが本当に本気を出してきた。
「なら遠慮なくいくとするかのう…」
おじいちゃんから今まで感じなかったすごいオーラを感じる気がする。しかし、僕はあの憎たらしい人形を壊したんだ!行ける!
「…始めじゃーーーー!!!!!」
おじいちゃんが始めの合図をしてくれた。僕にかかればおじいちゃんになら、勝てるような気がする!と思っていた。
しかし、おじいちゃんは木刀を片手に追いかけてきた。少し距離を取っても雷魔法で攻撃される。
「ひどすぎるだろ!」
「お前が望んだことじゃろう?」
でもこんなに強いとは思うわけがない。
「どんどん行くぞーーーーー!」
おじいちゃんがすごい速度で走ってきた。逃げてもおじいちゃんの魔法がやって来る。
それから約1時間おじいちゃんは容赦なく滅多撃ちにされて僕の初めての戦闘は終わった。ちなみに整えたばかりの藤色の髪の毛はぐしゃぐしゃになっていた。
僕は荷物を準備してから隣町へ向かった。
僕の冒険の始まりだ!
まぁただのおつかいだけれど…
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