姉ちゃんのいる店

ネオミャウ太

第1話

「姉ちゃんのいる店に行こうぜ」


俺は仲良くしてもらっている先輩に飲みに誘われる。


「良いですね、楽しく飲みましょうか」


俺は気分良く返事をして、先輩の後についていく。


「ここがクチコミで高評価の店だったはず」


寂れている飲み屋を前にして先輩が呟いていた。


「こんな店が高評価何ですか、もっと綺麗な店にしましょうよ」


「いや、案外こんな店が穴場だったりするんだよ」


「本当ですか?」


「ああ、俺を信じてみろよ」


「先輩がそこまで言うなら信じますよ」


俺は渋々納得して先輩が案内した店に入る事にした。


先輩としゃべりながら店の中に入ると


「「いらっしゃいませ」」


2人の店員が挨拶してきたので何か言おうと前を見る。


すると目の前に驚きの光景があり


「「姉ちゃん!!」」


先輩と同時に声を上げる。


何で姉ちゃんがいる?それは個人の自由だとして何故先輩も驚いている?俺に姉ちゃんがいるって言ってないし、そもそも人の姉を姉ちゃんっていうか?と疑問に思っていると


「あれ、たかし、こんな店で飲むようになっていたんだ」


俺の姉じゃない方の店員が先輩を呼び捨てにする。


どういう事?どういう事?と疑問に思っていると先輩が焦り始めて


「陽介、別のお店に行くぞ」


俺を引っ張ってきたので俺は疑問に思いながらも引っ張られて行くと


「良いじゃん、良いじゃん、照れなくても、久しぶりに一緒に飲みましょ」


姉じゃない方の店員は先輩の肩を掴む。


すると先輩はこの世の終わりみたいな表情をしながら


「すまない、すまない」


と観念すると


「じゃこっちね」


俺たちは席に案内されるのであった。


席に座ると姉じゃない方の店員が俺の方を見て


「たかしの後輩君か、名前は何て言うの?」


「陽介です」


「へえ、陽介君か、みきの弟と同じ名前だって、みき、すごくない」


と姉に話を振ると姉は恥ずかしそうに


「あの、先輩、私の弟です」


そう呟く。


その話を聞いた先輩と姉じゃない方の店員が互いの顔を見た後


「お前たちも」「あんた達も」


と同じ表情で驚く。


その姿を見て、先輩とこの人は姉弟なのか、驚き方似ているなと現実逃避を若干しながら


「はい、そうです」 「はい」


と俺たち姉弟は同時に言う。


「こんな偶然ってあるんだね」


先輩の姉が気まずそうに言うと無言になる。


しばらくの時が経ち、先輩の姉が立ち上がり


「もうこうなったら、昔話で盛り上がろう」


その場をどうにかしようとしていたので俺たちはそれに乗っかる事にした。


最初はどうなるか心配だったが案外盛り上がり、楽しく過ごしていると店のドアが開く音がしたので思わずみると社長が入店してきた。


俺と先輩はアイコンタクトして


「社長が来たから声を抑えて」


姉と先輩の姉に伝える。


すると奥の方からベテランらしき人が現れ


「いらっしゃいってあんた、マモルかい」


「何で姉さんがいる?」


社長とベテランの人が驚いていたのでマジかと事を見守っていると俺たちとは距離の離れた席に案内される。


遠くの席なら多少大きな声でも盛り上がれるかと考えているとまた店のドアが開く。


するとそこには会長が立っており、会長もくるんだ、そんなを思っていると奥から大ベテランらしき人が現れ


「いらっしゃいってまさかケンちゃん?何で姉ちゃんの店におるん?」


















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姉ちゃんのいる店 ネオミャウ太 @neomyuta

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